【ひのみやぐら】傾聴ができるリーダーに

2023.08.29 【ひのみやぐら】
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 安全のキーマンといわれる職長。いわずもがな職場で働く人たちが安心して快適に業務に取り組むためには、職長のような現場のリーダーにかかっているところが大きい。優れたリーダーシップを持つ人は、良い製品を早く安全に生産するために、タイミングよく情報を収集し、上手に活用して、関係する人を効率的に、気持ちよく動かす能力を持っている。優れたリーダーはよいチームワークを実現できる人にほかならない。

 リーダーシップのある人は、コミュニケーションスキルが高い人だ。その根底にあるものは、周りの人からの信頼といえる。日常の作業のなかで、お互いに意思疎通を図ることでよい職場環境をつくり、信頼関係を高めていく。

 この信頼関係づくりのなかで欠かせないのが相手の話を「聴く」ことだ。アクティブリスニング(積極的傾聴)は、人と人とのコミュニケーションには欠かせない手法といえる。相手の意見や考え、気持ちを引き出すうえで、大切なのは批判をしないで聴くということだ。自分の考えと違った意見や、ピント外れな言葉があっても、冷静に相手の話を聴くことが重要になる。つい、意見が違うと反論したくなるものだが、ここは抑える。否定をされると、心を閉ざし本音をいわなくなるからだ。目下の人間なら、なおさらといえる。

 相手の気持ちを受け入れて共感を示しながら、最後までじっくりと話を聴く。敬意を払って、注意深く聴くことで、相手の気持ちや考えを知ることができ、信頼関係が生まれるのだ。「聴き上手は、話し上手」といわれるゆえんだ。

 かつてのリーダーはテキパキと指示を出し、自分で行う仕事は範として示し、部下は上司の行動を「盗んで」いた。このほうが、仕事のスピードは早いかもしれないが、個々の力が身に付かない。大切なのは考えさせることで、一人ひとりの工夫やチャレンジが組織の底上げにつながる。まずは丁寧に相手の考えを「聴く」ところからチームづくりが始まるといえる。

 リーダーは、雄弁を振るう者より、傾聴ができる人のほうが令和という時代に合っている。

2023年9月1日第2433号 掲載

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