【ひのみやぐら】高齢者は人間工学の視点で

2021.12.28 【社説】
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 人口減少社会により社会の担い手が減っていくなか、意欲のある高齢労働者は貴重な戦力として働き続けてもらいたいところだが、人間としての限界も考慮しなければならない。加齢とともに筋力や認知機能などの心身の活力が低下し、生活機能障害や要介護状態などの危険性が高くなった状態をフレイル、年齢とともに骨や関節、筋肉など運動器の衰えが原因で「立つ」「歩く」といった機能(移動機能)が低下している状態のことをロコモティブシンドロームと呼ぶが、要するに年をとれば身体がいうことを効かなくなるのだ。

 身体機能が低下した高齢労働者に安全で安心して働いてもらうには、職場を改善する必要がある。この稿では、何度となく高齢労働者の安全衛生確保について提言をしてきたが、まず着手すべきはハード面の改善が最優先となる。管理といっても、自分より年齢が上の人には指示がしづらいものだし、経験が豊富な高齢者に教育しても、効果が疑わしいからだ。

 高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)では、職場環境の改善を検討し、必要な対策を求めている。例えば「重量物取扱いへの対応」の項では、「不自然な作業姿勢を解消するために、作業台の高さや作業対象物の配置を改善すること」との記載がある。直接的に明記されていないものの、人間工学(エルゴノミクス)の視点を指した書き方と読み取ることができるだろう。

 作業の中で、かがんだ姿勢や肩より上で操作する仕事が長時間続くと、筋肉の痛みや疲労の蓄積につながる。体力が低下している高齢労働者ならなおさらだ。作業をするときは、作業台の高さ、工具の置き場所やスイッチの位置など、疲れない姿勢となるようにする。職場環境を変えろといっても、どう改善していいか分からないという声をよく聞くが、人間工学に着眼点をおけば答えは容易だ。

 高齢労働者にやさしい職場は、若い労働者にとっても作業しやすい職場となる。人手不足のなか、「誰もが働きやすい職場」で人を確保したい。

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2022年1月1日第2393号 掲載

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