【ひのみやぐら】高齢者対策契機に職場改善

2015.11.15 【社説】

 65歳以上の高齢者人口は3186万人(総務省:平成25年9月15日現在)。総人口に占める割合は25%になり、4人に1人が65歳以上というのがわが国の現状だ。少子高齢化というが、すでに「超高齢社会」になっていると認識したい。

 若い働き手が少なくなっているのだから、高齢者に期待が集まるのは自然だろう。「年齢感覚」は、その時代の社会が決めることだが、現代の60歳代は20~30年前と比較すると随分若々しい。健康さえ維持できていれば、良質な労働力として申し分ない。とはいえ、生理的現象としての心身機能低下は人間である以上避けられない。60歳代ともなれば視力、聴力、筋力、記憶力などさまざまな機能が衰えてくる。そうした現状にもかかわらず「職場は若い人向けのまま」と労務安全監査センターの東内一明代表は指摘する。基本的に多くの生産現場は18~60歳の壮健な男性仕様といえるが今後は、中高年齢者の割合が増えていく。そのためにも職場改善を求めた。

 高齢者の安全衛生確保は、身体状況の特質から、まずはハード面から始める必要がある。今号特集Ⅱでは、東内代表に高齢者に特に多い、転倒災害と墜落・転落災害防止について改善のポイントを示してもらった。例えば、転倒災害防止の要点はつまずきと滑りをなくすことだという。人は歩くときに床を見るものだが、汚いと目をそらす。床の美しさを保つのが、災害防止を図るうえで重要としている。墜落・転落防止では、階段への手すり設置や脚立を使用せず高所作業車を使うよう呼び掛けた。

 高齢者にとって仕事をしやすい環境は、若者や女性にも快適といえる。高齢者対策をきっかけに職場改善を図るのもよいだろう。

掲載 : 安全スタッフ 平成27年11月15日第2246号

あわせて読みたい

ページトップ