【ひのみやぐら】全員で取り組む「見える化」

2016.08.08 【社説】

 安全の「見える化」による取組みが注目されている。リスクアセスメントでは、潜在危険の洗い出しが行われるが、「潜在」というだけあって直接目に映っているものではない。普段は見えないリスクを評価し、明らかになった危険源と残留リスクを誰にでも分かるように可視化するのが見える化である。第12次労働災害防止計画でも、見える化の推進を求めており、さまざまな業種で有効な手法とされている。とくに日本語の苦手な外国人、教育に時間を割くことが難しい未熟練のパートタイマーには有効といえる。

 見える化の基本は「注意喚起」。例えば、通路の床に進行方向の矢印を表示したり、事業場の床に段差があれば、目立つ色でマーキングして注意を促すという改善から始める。作業現場にある設備の危険箇所に標識やステッカーを貼るのもポピュラーな取組みだ。市販の表示板なども販売されているが、「転倒」「墜落・転落」などのデザインは(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会のホームページから入手できる。もちろん、自社で制作するのもよいだろう。ピクトグラム(絵文字)に添えて、危険の内容や安全作業のための順守事項を記入すれば、立派な表示の完成である。

 見える化は、危険箇所を示す役割のほか、安全衛生活動にも生かされている。厚生労働省の「あんぜんプロジェクト」の「見える化コンクール」によると現場ルールの教育、安全情報の収集や共有などの事例が紹介されており、幅広く見える化が活用されていることが分かる。

 今号、特集Ⅰではエア・ウォーター㈱ケミカル部門鹿島工場の「見える化委員会」の活動を取り上げる。職場から選出したメンバーと事務局で構成する同委員会は、毎月1回ベテランと若手が職場の取組み事例を報告しながら活動内容を議論している。これまでにも配管に「熱傷注意」の表示、チェーンブロックの点検項目の表示板の設置、「見える化事例集」の作成など積極的な活動を行い、現場の安全対策を向上させてきた。

 見える化は、誰にでも取り組める分かりやすい活動。全員参加しやすいので、現場のレベルアップには絶好の手法だ。

掲載 : 安全スタッフ 平成28年8月15日第2264号

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