【ひのみやぐら】侮るなかれ「転倒災害」

2014.03.01 【社説】
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 第12次労働災害防止計画の目玉のひとつに第三次産業の災害防止が掲げられた。小売業、飲食店、社会福祉施設などで起きる災害の特徴は、転倒が多いことで知られている。このため、転倒災害防止対策は第三次産業向けの施策と思われるむきが少なくないが建設業、製造業でも、災害の型別ではかなりの割合を占めていることを忘れてはならない。

 厚生労働省の主要産業における事故の型別労働災害発生状況(平成24年)によると、「転倒」が建設業の死傷者数に占める割合は、「墜落・転落(34.5%)」「はさまれ・巻き込まれ(11.0%)」「飛来・落下(10.6%)」に次いで4番目の9.7%となっている。製造業の死傷者数の割合はなんと「はさまれ・巻き込まれ(28.6%)」に次いで2番目(17.2%)の多さ。両業種とも軽視できないほど、多発しているのが現状だ。

 加えて注意しなければならないのが、高齢者。今の日本では、どの産業にもいえることだが建設業、製造業ともに高齢化が進んでいる。加齢による身体機能の低下に伴い被災率が上昇するとともに、高齢者が被災すれば重篤度が高くなる傾向があるという。

 具体的対策としては、つまずきの原因となる段差、凸凹、突起、継ぎ目を見つけ出しスロープとするなど設備面での改善や滑りにくい靴を履くといった方法がある。障害物が顕在化するよう、整理・整頓など5S活動、それを励行するための教育も有効であり、事業場が取り組むべき対策は多いといえる。「被災者本人の注意不足」に帰することなく、こうした対策を確実に進めていくことが重要だ。

 より詳しい転倒災害のデータ、対策は特集Ⅰに預けるとして、まずは、転倒災害を侮ってはならない。

平成26年3月1日第2205号 掲載

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