【ひのみやぐら】課題山積み食料品製造業

2019.11.12 【社説】
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 労働災害防止を考えるうえで、食料品製造業の対策は急務といえる。死亡災害は平成30年をみると11人にとどまっているが、死傷災害は8162人。製造業のなかでは、金属製品製造業、化学工業を抜いてトップとなっている。食料品製造業で多い災害は「はさまれ・巻き込まれ」「切れ・こすれ」「転倒」の3つ。食品加工用機械には、回転体を持つものが少なくない。ミキサー、コンベヤー、ロール機では点検、掃除、修理などの非定常作業時に安全カバーを外し、機械を停止せずに作業を行ってしまい、その結果、手指をはさまりたり、巻き込まれる災害が後を絶たない。

 「切れ・こすれ」も同じような事案がみられる。食料品製造業の現場にある代表的な機械としてスライサーやバンドソーなど挙げられるが、きちんと電源を切らずに付着物を取り除き、やはり手指を切ってしまう。

 安全担当者が頭を悩ませているのが「転倒」だろう。機械の洗浄作業では、多量の水を使用する。さらに、肉などを処理する工場では、脂分で作業床が滑りやすくなっている。水を扱う職場では、速やかに拭き取ったり、滑りにくい材質の床の設置やゴム長靴の着用が重要だが、対策や改善が疎かにされていれば当然、災害につながっていく。近年は作業員が高齢化していることもあり、転倒しただけでも骨折など重篤な災害となることがあるという。

 設備や作業環境以外でも問題がある。パートタイマーや派遣社員など非正規社員が多く、雇用期間が短いため、教育の効果が薄いといわざるを得ない。また、立ち作業が多く、腰痛を訴える人もいる。高齢者には大きな負担といえる。

 食料品製造業は、たくさんの課題を抱えているので、分かりやすい施策が効果的だ。今号特集Ⅰで紹介する神戸屋練馬工場では、ヒヤリハットや過去の災害事例をもとに写真で見てすぐに理解できる「危険箇所ポイント」と「危険箇所マップ」を活用した対策に取り組んでいる。

 食料品製造業では安全対策の課題が山積みだが、同社のようにコツコツと対処していくのが一番の近道かも知れない。

2019年11月15日第2342号 掲載

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