令和3年度「過労死等の労災補償状況」(厚労省)

2022.06.27 【労働行政最新情報】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

 厚生労働省は、令和3年度の「過労死等の労災補償状況」を取りまとめ、令和4年6月24日に公表した。

 ポイントは以下の通り。

・過労死等に関する請求件数 3,099件(前年度比264件の増加)

・支給決定件数 801件(前年度比1件の減少)
 うち死亡(自殺未遂を含む)件数:136件(前年度比12件の減少)

1 脳・心臓疾患に関する事案の労災補償状況

(1)請求件数は753件で、前年度比31件の減少。

(2)支給決定件数は172件で前年度比22件の減少。うち死亡件数は前年度比10件減の57件。

(3)業種別の傾向

・業種別(大分類)
 請求件数は「運輸業,郵便業」155件、「建設業」105件、「卸売業,小売業」92件の順で多い。
 支給決定件数は「運輸業,郵便業」59件、「製造業」23件、「卸売業,小売業」22件の順に多い。

・業種別(中分類)
 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「運輸業,郵便業」のうち「道路貨物運送業」124件、56件が最多。

(4)職種別の傾向
・職種別(大分類)
 請求件数は「輸送・機械運転従事者」161件、「専門的・技術的職業従事者」110件、「サービス職業従事者」と「建設・採掘従事者」78件の順で多い。
 支給決定件数は「輸送・機械運転従事者」54件、「専門的・技術的職業従事者」27件、「管理的職業従事者」19件の順に多い。

・職種別(中分類)
 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「輸送・機械運転従事者」のうち「自動車運転従事者」150件、53件が最多。

(5)年齢別の傾向
 請求件数は「50~59歳」268件、「60歳以上」256件、「40~49歳」168件の順で多い。
 支給決定件数は「50~59歳」67件、「40~49歳」55件、「60歳以上」36件の順に多い。

(6)時間外労働時間別(1か月または2~6か月における1か月平均)の傾向
 支給決定件数は、「評価期間1か月」では「100時間以上~120時間未満」20件が最も多い。
 また、「評価期間2~6か月における1か月平均」では「80時間以上~100時間未満」56件が最も多い。

2 精神障害に関する事案の労災補償状況

(1)請求件数は2,346件で前年度比295件の増加。
 うち未遂を含む自殺の件数は前年度比16件増の171件。

(2)支給決定件数は629件で前年度比21件の増加。
 うち未遂を含む自殺の件数は前年度比2件減の79件。

(3)業種別の傾向
・業種別(大分類)
 請求件数は「医療,福祉」577件、「製造業」352件、「卸売業,小売業」304件の順で多い。
 支給決定件数は「医療,福祉」142件、「製造業」106件、「卸売業,小売業」76件の順に多い。

・業種別(中分類)
 請求件数、支給決定件数ともに業種別(大分類)の「医療,福祉」のうち「社会保険・社会福祉・介護事業」336件、82件が最多。

(4)職種別の傾向
・職種別(大分類)
 請求件数は「専門的・技術的職業従事者」599件、「事務従事者」512件、「サービス職業従事者」353件の順で多い。
 支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」145件、「事務従事者」106件、「サービス職業従事者」105件の順に多い。

・職種別(中分類)
 請求件数、支給決定件数ともに職種別(大分類)の「事務従事者」のうち「一般事務従事者」373件、67件が最多。

(5)年齢別の傾向
 請求件数は「40~49歳」703件、「30~39歳」556件、「20~29歳」495件の順で多い。
 支給決定件数は「40~49歳」200件、「20~29歳」153件、「30~39歳」145件の順に多い。

(6)時間外労働時間別(1か月平均)の傾向
 支給決定件数は「20時間未満」が73件で最も多く、次いで「80時間以上~100時間未満」が44件。

(7)出来事別の傾向
 支給決定件数は、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」125件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」71件、「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」66件の順に多い。

3 裁量労働制対象者に関する労災補償状況

 令和3年度の裁量労働制対象者に関する脳・心臓疾患の支給決定件数は2件で、いずれも専門業務型裁量労働制対象者であった。また、精神障害の支給決定件数は7件で、専門業務型裁量労働制対象者6件、企画業務型裁量労働制対象者1件であった。

■ 新型コロナウイルス感染症に関連する脳・心臓疾患の支給決定件数は4件、精神障害の支給決定件数は18件であった。

■ 複数業務要因災害に関する脳・心臓疾患の決定件数は8件(うち支給決定件数2件)で、精神障害の決定件数は0件(うち支給決定件数0件)であった。

▼詳しくはこちらをご覧ください。

令和3年度「過労死等の労災補償状況」を公表します
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26394.html

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。