【主張】他社雇用型副業の推進を

2018.06.07 【社説】

 本紙報道によると、大手企業で従業員の副業・兼業を解禁する動きが加速している(5月21号3面)。オリックス生命やエイチ・アイ・エス、ユニ・チャームなどで、他社雇用型を認めるか否かで一つの線引きができる。他社雇用型を拡大していくためには、雇用保険制度の再整備が必要となろう。副業・兼業の広がりに水を差さないためにも早急な制度改正を望みたい。

 副業・兼業を解禁したのは、上記3社以外にも、ソフトバンク、DeNA、コニカミノルタ、新生銀行、アサヒビールなどがあり、これらが引き金となってさらに拡大が予想される。基本的にやりがいや収入増となる従業員側に便宜を図っているが、企業側としても個々の従業員の成長につながれば企業全体としてのパワー増強につながろう。

 解禁の形態として、現時点では他社雇用を認めないケースと認めるケースに分けることができる。オリックス生命、エイチ・アイ・エスは他社雇用を認めないが、ユニ・チャームでは認めている。

 他社雇用を認めない場合は、従業員が保有する国家資格などを活用した社外活動を推奨している。中小企業診断士や公認会計士のコンサルティング業、通訳・翻訳業などで、あくまで個人事業としての位置付けだ。

 これに対してユニ・チャームは入社4年目以上の従業員に他社雇用を含めた副業・兼業を認めた。介護現場での雇用体験などを本業に生かしてもらえれば、同社としても意味があるという。

 従業員や企業の置かれた状況に応じて、個人事業型と他社雇用型を幅広く認める方向が望ましいといえるが、とくに他社雇用型では雇用保険などの適用で問題が残っている。現状では、事業所ごとに捉えた所定労働時間で判断するという解釈、運用がされており、これを複数の事業所にまたがる形で保険関係を判断する制度に見直す必要が出てくる。

 とくに中小規模の複数事業所においては、労働時間を合算して20時間を超えるケースを被保険者とする点などを明確に規定し、副業・兼業を取り込むべきだろう。

掲載 : 労働新聞 平成30年6月11日第3164号2面

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