【主張】業務進行はリモート管理

2021.04.22 【主張】
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 東京・品川労働基準監督署が実施した調査で、拡大しつつあるテレワーク勤務の管理実態が浮き彫りとなってきた(=関連記事:テレワーク実態調査 6割が自己申告方式活用 客観的把握進まず 品川労基署)。労働時間把握については、労働者を信頼して自己申告する形式をとるが、業務の進行やコミュニケーションは、メッセンジャープラットフォームなどを利用し、可能な限り状況把握に努めている。賃金関係では通勤手当を廃止する代わりに通信費や光熱費の費用を支給する傾向にある。労働時間の完全把握は困難だが、リモートによる進行管理で業務遂行上の支障はなさそうだ。

 信頼性の高い労基署による情報通信業約150社を対象とする調査結果によれば、96%の企業がテレワークを導入し、ほぼ100%で労働者の自宅で業務を行う在宅勤務を実施していた。78%が新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言前後から実施しており、ほとんどがこの1年のうちに新しく導入したケース。

 同調査結果では、テレワークにおける勤務管理のおおよその実態、方向性が明らかになってきた。最も問題とされる労働時間管理についてみると、始業・終業時刻を自己申告させていたり、電話やメールなどにより管理者に報告するなど、労働者の自主性に任せているケースが58%に達している。元来、労働時間の完全把握は困難であり、労働者の申告・報告を信頼する他はない。

 しかし、業務の進行管理については、リモート形式である程度厳格に行っている。28%の企業が、メッセージプラットフォーム、チャット、Zoomなどを利用して業務の進行を把握しようとしていた。賃金は一部を大きく修正している。通勤手当を廃止した企業が24%に達した一方で、在宅で消費する通信費や光熱費などを毎月定額で支給する割合が2割以上ある。

 テレワークのメリットを感染予防対策とした企業は29%だが、通勤時間の短縮とした企業は50%に上っていることを考えれば、新型コロナ感染終息後も維持、拡大していく可能性がある。業務の進行状況をリモートで把握できればアウトプットの面で大きなリスクとはならないだろう。

令和3年5月3日第3303号2面 掲載

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