業種ごとの提案力が必須/佐藤社会保険労務士事務所 所長 佐藤 良一

2017.09.24 【社労士プラザ】

佐藤社会保険労務士事務所
所長 佐藤 良一 氏

 最近は連日のように働き方改革の議論が新聞、テレビで盛り上がるなか、企業や各業界団体においても働き方改革を活用した長時間労働の是正や生産性の向上に関心が集まり、多様な働き方が話題となっている。

 労務管理の分野が大きなウエートを占める働き方改革は、政府・行政主導で進められており、国の主要施策となっていることから、今後我われ社会保険労務士にとっては追い風となるものと考える。

 このような状況から、専門士業として企業に対し最新の法律知識や豊富な取引事例の提供はもちろんのこと、業種ごとに企業が求める情報や提案力を担保できる能力を身に付けることが重要であると考える。現場サイドでは画一的な労務管理に基づく助言や指導になりがちだが、業種・業界によっては多様な働き方を重視する傾向もあるため、業界の特徴と問題点を把握し、改善策を提案することが求められている。

 私は社労士事務所を経営する傍ら、一方では建設業などの企業経営をメーンとしており、常に労務管理を指導、助言する立場と実際にそれらを自らが実践する役割も担っている。

 建設業を例に挙げれば、①受注産業、②移動型産業、③屋外作業中心、④重層下請構造、⑤時間外労働の上限枠がないなどの特殊性を踏まえた上で建設企業ごとの細かな対応が必要とされる。

 建設企業においては元請と下請により構成され、施工業種の中でも建築・土木など総合建設業(ゼネコン)と呼ばれる業態もあれば、専門工事業者も存在する。また公共工事を主とする企業もあれば、民間工事の受注を専業とするケースもある。企業形態により労働時間、休日、給与形態が相違するものの、労働生産性を上げ収益の向上を目標としており、そのためには人材の確保、育成や技術力の向上が重要とされている。

 建設業界においては働き方改革をチャンスと捉え、いわゆる新3K(給料、休日、希望)に対して積極的に取り組んでいる。とくに長時間労働の是正のため週休2日制の検討、日給制の改善、適正な工期の確保による労働環境の改善など官民が連携して推進されつつある。働き方改革の促進により建設業界自体がより魅力的な職場として今後若手・担い手の確保につながることを期待したい。

 今後とも働き方改革のような国が推進する施策に注目しながら、我われの知見を活かし、社労士としての認知度の向上に努めてまいりたい。

佐藤社会保険労務士事務所 佐藤 良一【島根】

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TEL:0853-23-7036

掲載 : 労働新聞 平成29年9月25日第3130号10面

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