RPA活用で生産性向上/社会保険労務士法人TMC 代表社員 岡部 正治

2019.10.06 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人TMC 代表社員 岡部 正治 氏

 昨年6月、働き方改革関連法が成立した。労働時間の把握義務、時間外労働の上限規制、年次有給休暇の指定付与義務化、同一労働同一賃金などの内容となっている。

 企業側としても、人材不足問題が深刻化する状況において、働きやすい職場環境を整備することは重要な経営課題となっている。また、労使紛争リスクの観点からも長時間労働の是正などは不可欠である。

 その一方で、労働時間短縮、休暇取得の増加、人件費の上昇が進むと、企業の収益性低下や業務遅延などの懸念がある。そのため、企業は、生産性向上をセットで進めなければならない。

 そこで、当法人が顧客の支援として新たなツールとしているのが、AI―OCRとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入支援である。最初に当法人で導入したところ、相当な業務効率化につながったため、自信を持って顧客へ案内できる状況となった。

 AI―OCRは、人工知能を活用した高精度な文字認識システムであり、クセ字も学習し、読取精度を向上していくことが特徴である。AI―OCRの導入により、手入力の工程がなくなり、時間短縮とミス防止を同時に達成できている。具体的には、社員マスタの入力、住民税入力、セミナーアンケートの集計等が劇的に早く処理できるようになった。

 RPAは、ロボットを活用した業務の自動化である。定型業務をロボットに記憶させることで、昼夜を問わず処理が進むことになる。具体的には、行政機関の公文書ダウンロード、顧客への処理完了報告メールの作成、給与計算の入力・帳票作成などを自動で処理できるようになった。

 人間は、ロボットが行った処理の確認程度で済むため、顧客とのコミュニケーションに注力することができる。ロボットは、病気にならず、労働基準法も適用されないため、安定した「戦力」として計算できる。

 顧客から、AI―OCRとRPAに関する相談が徐々に増えている。定型業務のロボット化を進めることで、企業価値を高める業務に注力できるため、積極的に推進したい。

 ロボット化を進める上で重要なことは、固定観念に捉われないことであると考える。「従来のやり方を変えるのはリスクが高い」などと考えていると生産性向上は進まない。また、導入時は担当者に負荷がかかることも想定される。

 ロボット化の支援に当たっては、機械の操作だけでなく、当法人の経験を踏まえて、導入の心構えや進め方などもアドバイスしていきたい。

社会保険労務士法人TMC 代表社員 岡部 正治【栃木】

【公式webサイトはこちら】
https://www.tmc-jinji.com/

令和元年10月7日第3227号10面 掲載

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