【主張】金銭救済制の早期実施を

2017.06.26 【社説】
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 厚生労働省は、解雇無効時の金銭救済制度に関する学識経験者などによる検討結果を明らかにした(6月19日号1面既報)。長期の検討期間を経ているにもかかわらず、制度の基本的枠組みや補償金水準が、依然として不確定で分かりにくい。議論の中で表明された意見ではなく、検討会としての制度設計案を打ち出すべきだった。

 検討会が、審議会と同様のメンバーで構成されており、屋上屋とみられても致し方ない。国民が求めているのは、第一にスピード感であり、この要請を裏切ってはならない。少なくとも、引き続き行われる審議会のできるだけ早い段階において、おおよその制度設計案を提示してもらいたい。

 検討会が最初に設置されたのは平成27年10月で、今日まで1年半以上にわたって20回開催してきた。さらに遡れば、審議会報告として制度の必要性が提起されたのは14年12月のことである。提案から制度創設まであまりにも時間が掛かり過ぎる。

 今回まとまった検討結果によると、一定要件を満たす場合に労働者が金銭支払いを請求できるとする権利を実体法に規定する方法が「相対的に難点が少ない」などと方向性を示したものの、国民や労使の関心が最も高い補償金水準については曖昧なままとなっている。

 透明で公正な運営をしていくためにも上・下限の設定やガイドラインの作成が必要であり、また勤続年数、年功賃金の程度なども考慮に入れる必要があるとする意見があったと明記するに留まった。検討会には、現行の労働紛争解決制度における和解金水準の実態がデータとして報告されていたはずである。これだけ長期の検討期間があれば、補償金水準の明確化が可能なはずである。

 27年6月に閣議決定した「日本再興戦略」では、金銭救済の創設へ向け「所要の制度的措置を講ずる」と明記している。創設を前提とした検討により、もっと分かり易い制度案を早く提示し、早期運用につなげるべきである。遅くとも次期通常国会に法案を提出してもらいたい。

平成29年6月26日第3118号2面 掲載

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