【主張】改革を前進させるために

2016.12.26 【社説】
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 平成28年9月26日に召集された臨時国会が閉幕した。厚生労働省提出法案では、外国人技能実習適正化法案や国民年金法改正案が成立したが、肝心の労働基準法改正案が再度継続審議となってしまった。当初から短期の臨時国会では成立は無理とみられていたが、未だに一切の審議が行われていない状況については憂慮せざるを得ない。

 現政権は、働き方の見直しを構造改革の重要な柱と位置付けている。その働き方改革の核となる労基法改正案が、昨年の通常国会から棚ざらしになっている。仮に次期通常国会で成立したとしても、その後の準備期間を考慮すると、改正法の完全適用は何年も先になる。働き方改革がそれだけ先送りになるわけであり看過できない。

 臨時国会では、技能実習法案がようやく成立した。1年超の遅れとはいえ、充実した審議が交わされ、与野党の前向きな姿勢が感じられた。新設する技能実習機構による全数検査、抜打ち検査の実施などが、外国人技能実習生の労働環境改善に寄与することになろう。

 取り残されたのが、労基法改正案である。同法案では、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、原則として5日分について、毎年時季を指定して与えなければならないことを使用者に義務付けている。中小企業に対しては、月60時間超の時間外労働に対する割増賃金率(50%以上)の引上げなどを盛り込んだ。

 働き方改革のなかでもとくに過重労働防止対策は一刻の猶予もならない最優先事項のはずである。強行法規である労基法により、使用者による年休付与の義務化や割増賃金率の引上げが一律に実施されれば、過重労働抑制への効果は大きいはずである。その先にある残業時間の上限規制強化にもつながってくる。

 現政権は、本質を突いた働き方改革のメニューを多く提案しており、その点では高く評価できる。しかし、労基法改正を躊躇しているようでは先に進まない。与野党対立は覚悟のうえである。次期通常国会では、必ず成立を期すべきだろう。

平成28年12月26日第3094号2面 掲載

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