【主張】政権主導で新たな段階に

2017.01.16 【社説】

 平成29年が明けた。今年は強力な政権の下で働き方改革をさらに前進させる年となる。最大の課題は、高度プロフェッショナル制度の創設を含む労働基準法改正案成立と解雇の金銭救済制度のあるべき姿を明確にすることである。この課題を乗り越えることができれば、働き方改革は大きく前進するだろう。今年こそ公労使が協力して、構造改革を実りあるものにしてもらいたい。

 日本経済は、大幅な金融緩和と財政出動によるアベノミクスにより好転し、雇用情勢の改善に貢献した。有効求人倍率は1.4倍程度、新規求人倍率は2倍、正社員有効求人倍率も0.9倍程度に上昇している。完全失業率は3%となり、さらなる低下が期待されよう。雇用情勢は、政権の思い切った政策によって、バブル崩壊の後遺症からようやく脱することができた。

 正規と非正規との間の不均衡にもメスが入ろうとしている。同一労働同一賃金ガイドラインが作成され、現時点で実施可能な範囲の対策が打ち出されたといえよう。関連法規改正も視野に入ってきた。産業界における不合理な格差是正の動きは加速されていくことだろう。

 弱い立場にある求職者保護に向けては、職業安定法改正が予定されている。実際の労働条件と異なる虚偽の求人票を提出して人材募集する悪質企業への罰則適用や求人不受理の範囲拡大などだ。

 後は労基法改正と解雇の金銭救済制度である。とくに金銭救済制度は、分かりにくい解雇ルールの重要部分を明確化すると同時に、予見可能性を高めて不必要な労使紛争を防止する効果が期待できる。社会的コストの節減と生産性向上に寄与するはずである。中小零細企業などで横行する不当解雇の歯止めにもなろう。今年中に、制度の枠組みを決定して法改正を狙える段階に引き上げることが、労働行政の最大の課題である。

 過労死防止対策についていえば、残業上限規制の強化も並行して進めていくよう期待したい。引き続き強力な政権が維持できれば、打ち崩せなかった厚い障壁も突破できるはずだ。

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掲載 : 労働新聞 平成29年1月16日第3096号2面

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