【ひのみやぐら】立ち止まりリスクを考える

2020.04.28 【社説】
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 JR西日本の鉄道安全考動館は、2005年に発生した福知山線の事故を重く受け止めるため、二度と事故を起こさないという強い決意のもと設立された。「考動」という言葉は、一人ひとりがリスクを考え、安全を最優先する判断や具体的な行動をとってほしいという想いが込められている。

 「考動」というのは、もちろん造語だが、安全やビジネス用語としてしばしば使われるお馴染みの言葉だ。明確な定義はないが、「自ら考えて行動し、目的や意思を定めたうえで取り組む」という意味合いで使われることが多い。「行動」を辞書で調べると「あることを目的として、実際に何かをすること。行い」と極めて平面的な表現で解説しているが、それに対して「考動」は、強い語気が感じられる。改めて鉄道安全考動館という名称には、絶対に事故や労働災害を起こしてはならないという信念が感じられる。

 また、同社が掲げるJR西日本グループ鉄道安全考動計画2022には、「お客様や仲間の安全を確保するために一人ひとりがいったん立ち止まって『リスクを具体的に考える』ことからスタートし、何よりも安全を最優先する判断と行動につなげます」とある。安全衛生活動にとって「いったん立ち止まる」ことが重要なのはいうまでもない。

 一例をあげると、ある会社では「一呼吸運動」という活動を取り入れている。立馬から降りるとき、電動工具のスイッチを入れる前などに一呼吸おいて確認してから、行動に移るとミスが少なくなる。指差し呼称をするのもいいし、KYとして実施するのもよい。難しい案件に直面したときは、誰かに相談する。

 人は、同時に2つのことを考えるのは不可能なもの。さらに疲れていたり、時間が足りなく焦っていたりすると間違いを起こしやすくなる。自分が一番大事だと思う事柄に気持ちを向けて、見て、聞いて、考えて、判断し、行動をする――いったん立ち止まって、考えることで安全が担保されるといえよう。

 「考動」を一人ひとりが実践することで、事故や災害のない社会、職場をつくることができる。

2020年5月1日第2353号 掲載

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