【ひのみやぐら】大規模現場が英知を結集

2018.09.10 【ひのみやぐら】
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 五輪関係の工事で東京都内は、建設ラッシュが続いている。それに伴う整備工事や再開発なども盛んに行われているところだ。工事量が増えるとともに、懸念されるのが労働災害。人手不足や技能伝承問題など多くの課題を抱えており、6月に発表された東京労働局の労働災害発生状況をみると、昨年66人の死亡者のうち4割強の28人が建設業で、前年と比べて3人増加した。このため同労働局では、機会を捉えて労働災害の防止を呼びかけている。

 こうした状況のなか、池袋労働基準監督署では「大規模建設工事労働災害防止連絡協議会および職長会連絡会(大建協)」を立ち上げた。請負金額50億円以上の建設現場の安全衛生担当者などが一堂に会して情報交換や相互研さんを行うもので、地域の建設業の安全衛生水準を引き上げる活動として期待される。

 大規模工事現場のスタッフが集まって意識を高める活動を最初に行ったのは中央労基署で、次第に他の労基署も取り入れていく。名称、活動内容、開催頻度などは、各労基署によって若干異なるが、協議会会場となった現場のパトロールを実施し、その後、活動事例の紹介や意見交換などが行われるのがおおまかな流れ。パトロールでは、第三者の目が入ることから、日常見逃しがちな点が指摘されるので効果が大きい。また、意見交換だけでなく、予めテーマを決めてディスカッションを実施することもあった。現場で抱える問題解決のヒントになり、改善につながったこともあるという。

 池袋労基署管内の大建協では、7月9日に第3回が(仮称)西武鉄道池袋ビル新築工事現場(施工:大林・西武JV)で行われた。大林組ではATKY(アタックケーワイ)を全社的に展開しているところだが、現場定着のため「ちょっと待てシリーズ」を考案。JV職員と職長会が寸劇で〝好演〟した。このように創意工夫した活動が紹介され、現場間が刺激を受けあうことで、安全衛生レベル向上へ相乗効果を狙う。

 都内の大規模工事現場を担う人は、トップクラスの〝人財〟。英知を結集して災害防止を図りたい。

平成30年9月15日第2314号 掲載

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