【ひのみやぐら】一日の始まりは体操から

2018.11.26 【社説】
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 朝は大抵、眠気が残っていたり、頭がボーッとしていたり、動きが鈍かったりする。朝からやたら元気な声で話しかけてくる人もいないではないが、確実に少数派だ。

 労働災害が発生しやすい時間帯は、午前9~11時に集中している。頭がボンヤリしている状態では、判断力や決断力が遅く危険を察知したとしても回避が遅れる。体についても、ふらつきがあったり関節が動かないことで、やはり危ないと感じても身をかわすことができない。頭と体にきちんとエンジンがかかっていないと、労働災害に遭うリスクが高まるのはいうまでもない。

 このため建設現場では、仕事に入る前にしっかりと頭にスイッチを入れ、体をほぐすためにラジオ体操を行っている。1日の始まりのときに意識をはっきりさせ、仕事にきちんと従事できる体に変化させていくのだ。特に大規模な建設現場では、朝礼広場で大勢の人数が一斉に行う。この風景はわれわれ外部の記者から見ると、なかなか壮大に映る。作業員が一堂に集まり、同じ場所で体操を行うことで連帯感が生まれてくるそうだ。毎日の何気ない動作のようだが、コミュニケーションに大いに役立っている。

 ラジオ体操は意識や体を呼び起こす以外にもさまざまなメリットをあげることができる。まず認知度が高い。日本では1928年から放送が始まったというから90年の歴史がある。学校や町内会で誰もが経験したはずであり、順番を覚えていなくても、なんとなく周りを見ているだけで自然と体が動いてしまう。時間も3分程度と短いので業務時間を圧迫することはない。しかも狭いスペースでも、周りの人の邪魔になることが少ない。少し専門的なことでいえば、セロトニン(神経伝達物質の一つ)が分泌され、イライラがなくなる。つまり、ストレス解消にも効果があるということだ。

 これだけメリットがあるということは、逆にいえばラジオ体操を怠ると労働災害のリスクが高まるという見方ができる。生き生きとした職場とするためにも、ラジオ体操は欠くことができない安全衛生活動といえる。

平成30年12月1日第2319号 掲載

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