【ひのみやぐら】ラジオ体操は安全文化

2015.02.01 【ひのみやぐら】
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 ラジオ体操の歴史は古い。日本では、1928年8月1日から1カ月間、日本放送協会大阪中央放送局が放送したのが最初といわれている。以来、今日まで学校や職場で親しまれてきた。KY活動やヒヤリ・ハットとともにわが国の産業現場に根付いた〝安全文化〟といっていい。

 多くの人に馴染み深いラジオ体操だが、東京・立川労働基準監督署では、第三次産業の職場に取り入れられるよう普及促進キャンペーンを行っている。12次防では、小売業、社会福祉施設、飲食店などで起きる転倒、転落、腰痛などの対策を重点課題に掲げているが、もうすぐ3年目を迎えようとするも依然、発生件数は高水準にある。

 こうした状況を何とかしなければと、立川労基署は「朝礼時にラジオ体操を導入している建設業で『行動災害』の発生率が大幅に低い」ことに目をつけた。災害防止の特効薬になるものと、労働災害防止講習会などを利用して普及を図っているというわけだ。建設業で腰痛が少ないというほかにも「みんなが動きを知っている」「3分間でできる」「腰と体幹によい運動が多数」「ストレス解消に効果的」といった理由がある。仕事に取り掛かる前に体を動かすことで、スイッチが入り意識がクリアになるラジオ体操は、災害予防の面からも有効なのはいうまでもない。また、高齢者対策にも効果的としている。一見、軽微なケガで済みそうな転倒も高齢者の場合、骨折などにつながるケースが少なくないそうだ。重篤な災害の発生を未然に防ぐためにも、大いに役立つ。

 日本の誇れる安全文化といっていいラジオ体操。多くの職場で取り入れたい。同労基署の取組みがよいリーディングケースになることを祈る。

平成27年2月1日第2227号 掲載

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