【主張】次の“技術革新”に照準を

2019.11.21 【社説】
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 厚生労働省は、AI・ビッグデータ・IoTなどの開発が主題となっている第4次産業革命に対応した職業能力開発のあり方を本格的に検討するため、学識経験者などによる研究会を設置した。

 第5世代通信システムを例にとると、日本はアメリカや中国などと比較し、圧倒的に後れを取っている。第5世代に続く次の技術をめざし、急いで人材育成を図っていく必要がある。当分、経済成長が望めないうえ、先端技術開発でこれ以上後れを取るようなことになれば、日本のさらなる貧困化は免れない。

 移動通信システムは、30年間で第1世代から第4世代へと進化し、通信速度は10万倍に増大した。第5世代の登場でさらに速度がアップし、1秒間に10ギガの通信が可能となっている。高精細動画が短時間で送信できるなど、社会的影響は計り知れない。

 しかし、日本の技術的寄与度は極めて低い。第5世代関連の企業別特許保有件数をみると、中国のファーウェイが1500件を超えてトップ、次いでフィンランドのノキアが1400件、韓国のサムスン電子が1300件などと上位を占めている。

 モバイル通信用半導体の世界シェアをみても、クアルコム52%、サムスン電子14%、台湾のメディアテック13%となっている。日本はどうあがいても第5世代通信システムの技術的基盤に割り込むことはできないだろう。長期デフレによる研究開発投資不足が招いた悲惨な結果である。

 日本としては、ポスト第5世代で参入を図る以外に道はない。多数同時接続によるリアルタイム生産制御やサプライチェーン管理または超低遅延システムを活用した遠隔ロボット操作、遠隔自動車運転などだ。いずれも信頼性が重視される産業用への利用拡大で、日本が挽回できる最後のチャンスといわれている。

 厚労省では、まず今後10年間で2000人のテクノインストラクターを確保する目標を掲げる見込みという。十分な予算を惜しまず投入して、人材育成と先端技術をカバーする訓練カリキュラムの形成を急ぎ、産業界と日本の発展に尽くして欲しい。

令和元年11月25日第3234号2面 掲載

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