【主張】人づくり予算を惜しむな

2018.10.11 【社説】
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 厚生労働省の平成31年度予算概算要求がまとまった。今年度に引き続き「働き方改革」の実施が主要課題と位置付けられているが、今後重要性が増すのは「人づくり革命」の方である。リカレント教育の拡充・拡大による人材育成の積極化などに1000億円以上を投じるとしているが、これでも十分とはいえない。産業界の意向をよく聞きながら、実際のニーズに合致した教育プログラムの開発など進めてほしい。

 31年度予算概算要求では、リカレント教育により社会人の学び直しを推進するとともに、最新でかつ実践的な知識・技術の習得をめざした教育プログラムの開発を行うとしている。中小企業などに勤務する労働者に対しては、基礎的ITリテラシーの習得を目的とする職業訓練を実施する予定だ。

 かねてから指摘しているように、わが国は、人材育成と生産性を飛躍的に向上させて早急に「Society5.0」に対応する必要がある。アメリカや中国などに最先端技術分野で後れを取っているのが現状であり、このままだと将来得られるべき利益が大幅に縮小する恐れがある。

 「Society5.0」では、IoTで全ての人とモノがつながり、AIにより必要な情報が必要な時に提供される。そして、ロボットや自動走行車の技術が飛躍的に進展していく。わが国もこうした最先端技術で後れを取ることはできないが、いかんせんスタートが遅過ぎる。

 31年度事業をみると、最新の知識・技術の習得を目的とした教育訓練プログラム開発などのほか、長期の教育訓練休暇の導入支援、企業の危機管理能力の向上対策が挙がっている。

 要求規模としては、1200億円程度としているが、「人づくり革命」に対しては、いくら予算を投じても無駄にはならない。無駄でないばかりか、次世代社会に何倍にもなって見返りがある。「人づくり革命」への投資は、長期的には極めて効率的で有益なのである。予算規模をさらに拡大してでも、後世にツケを回さない覚悟で予算を組んでもらいたい。

平成30年10月15日第3180号2面 掲載

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