【主張】フリー就業の労働法適用

2017.12.11 【社説】
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 厚生労働省は、先ごろ「雇用類似の働き方に関する検討会」(鎌田耕一座長)をスタートさせた。各事業分野においてフリーランス形式で就業している個人に、どこまで労働法を適用していくかが中心的課題といえる。焦点となるのは、民事ルールを定めた労働契約法の適用だが、まずは同法上の「労働者」の判断基準を明確にすべきである。

 同検討会では、「雇用類似」ではあるが、雇用によらないフリーランスの就業実態を把握したうえで、各種保護のあり方を模索していくという。経済産業省が主に管轄する商取引上の公正ルールの整備は別として、労働法の適用に関しては慎重に検討する必要がある。明らかに独立した事業を運営しているフリーランスまで労働法を適用するわけにはいかない。

 中心的課題となってくるのが、労働契約法の適用問題である。労働基準法上の労働者概念は確定しているが、労働契約法の労働者概念は曖昧な部分がある。近年では、就業形態の多様化が進み、必ずしも労働基準法上の労働者とはいえないものの、何らかの労働法上の保護を図るべきという声が、政府内などから高まっている。

 つまり、形式上、請負や委任契約であっても、本人以外はその業務を行う予定がなかったり、収入の大部分を特定企業との継続的契約から得ているなど専属性が強いフリーランスの場合、これを労働契約法の労働者に加えるかである。適用対象にするのであれば、審議会で慎重に検討した上で、新たな基準として明確に打ち出す必要があろう。

 労働基準法は、強行規定、刑罰法規であるため、明確な労働者概念の下に運用されている。しかし、民事上のルールを定めた労働契約法は、類推適用して拡大解釈することが可能とするのが学説である。形式上は請負であっても従属労働の性格を持つ限り、その従属性という側面において労働法上の保護を受けるべきとする裁判例もある。

 個別事案ごとに類推適用を論じるのではなく、まずは予見可能性を重視した適用基準作り、労働者概念の明確化を望みたい。

平成29年12月11日第3140号2面 掲載

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