【主張】AIと共存できる方策を

2018.01.22 【社説】
  • TL
  • ツイート
  • シェア
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

  • コメント

 本紙報道(平成29年12月18日号1面)によると、厚生労働省の労働政策審議会労働政策基本部会(守島基博部会長)が、AIの普及拡大と雇用・労働への影響について本格的検討を開始したという。

 AI化に後れを取っている日本が付加価値を享受するには、今後相当な勢いで追い上げが必要である。労働法の権威をはじめ、企業の実務担当者、労組幹部といったそうそうたるメンバーを揃えた同基本部会においては、単なる労使間の意見調整を超えて、日本の将来を見据えた前向きな議論を尽くすとともに、労働問題の専門家らしい報告書の作成を期待したい。

 現在進行しつつある技術革新は、過去のME化などよりも広範囲、先鋭的で、社会に多大な影響をもたらすとみられている。あらゆる事業や情報がネットワークで結ばれ、集まった大量のデータにより新しい価値が生まれる。機械やロボットは、AIにより自らが学習を深化させ、将来的には人間を上回る高度な判断が可能となる。

 雇用・労働にどのようなインパクトが生じるか、早急に見通しを立て、今から対処していかないと社会に混乱が生じ、結果として世界との技術格差が致命的となりかねない。ダメージを最小限に抑えるための知恵と方策を打ち出し、準備を進めていくことがAI化を加速させる要素ともなるであろう。

 そこで肝要なのは、日本的雇用慣行をどう位置付けるかだ。欧米と同質化してAI化の条件を整えよと言葉でいうのは容易だが決して簡単なことではない。長期雇用を中心とする日本的雇用慣行は、未だ岩盤のように横たわっているという現実は、最近まとまつた経済団体の研究報告書でも明らかである。

 同基本部会では、完全解体が困難な日本的雇用慣行と欧米で有利となっているAI化の双方をうまく調和させて共存する方策を探ってもらいたい。日本の特殊性を生かしたAI化に成功すれば、逆に再び世界から注目を浴びるかもしれない。

 難しい課題といえるが、労働問題の専門家で構成する同基本部会に任せたい。

平成30年1月22日第3145号2面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ