【主張】全社で果実還元に取り組め

2019.07.11 【社説】
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 本紙の産業・企業欄(3面・15面)では最近、働き方改革の果実を社員に還元する企業事例を多数掲載している。主に大手企業において、残業削減による生産性向上分を賞与などに還元する流れがめだっており、数年前までは考えられなかった。現政権が打ち出した働き方改革が、企業の意識に大きなインパクトを与えたようだ。

 中堅・中小企業や下請企業にも配慮した還元策が採られれば、わが国全体の生産性向上にもつながる可能性がある。今後は、他社事例などを参考にして、すべての企業で社員への還元を積極化するよう望みたい。

 働き方改革は、主に過労死レベルの長時間残業の防止や不合理な労働条件格差を縮小する狙いで推進されたが、企業にはそれ以上の広がりを持って受け止められたようだ。多くのケースでは、過労死レベルではなくても、日常的な残業削減に向けた取組みを開始し、実際に目にみえる成果を挙げている。

 教育システム開発の㈱ODKソリューションズ(大阪府)では、変形労働時間制やシフト勤務などを導入し、1年間で1人当たり2割程度の残業減を達成。削減した残業代1人当たり22万円の7割を賞与に上乗せ支給した=関連記事

 アルプス電気㈱(東京都)は、内線スマホの貸与や会議削減などに力を入れ、1カ月1人当たり2時間半程度の残業削減に成功した。残業代削減分の3分の1を賞与に上乗せし、残りを次の働き方改革への投資に充てた=関連記事

 働き方改革で残業削減が進むと、わが国全体で巨額の残業代が支払われなくなり、国民の貧困化が拡大する恐れがあるとの指摘がある。確かに毎月の残業代を当てにする社員は少なくない。残業代が減額されれば、生活に支障があるばかりか、働く意欲も削がれかねない。ワーク・ライフ・バランス向上で家族と触れ合える時間は長くなるが、収入が減っては意味はない。

 残業削減の果実は、社員の納得がいく方法で分配しないと、いずれ社内の不満となって弾ける可能性かある。低レベルといわれるわが国の生産性向上にも寄与するだろう。

令和元年7月15日第3217号2面 掲載

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