社長の一言から課題を把握/竹内社会保険労務士事務所 竹内 勇一

2012.03.05 【社労士プラザ】
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 リーマン・ショックから続いている不況や東日本大震災の発生を背景に、私がお付き合いさせていただいている経営者の皆様も危機管理について考えることが増えているようで、就業規則の見直しとともに、いろいろな相談を受ける機会が多くなってきている。

 「時間外労働を何とかしたい」の一言の裏には、各会社の社風や事業が隠されている。そこを理解した上で指導していかないと良い結果は得られない。

 ある会社から、時間外労働について「届出制」にしたい、との相談を受けたことがある。届出用紙の雛形などを提供するのは簡単だが、現状を聞いてみると、実際は仕事に対する配置に問題があったようだ。

 それは、データ入力をしている部署の一部の者の時間外労働が極めてめだっていたケースで、ある特定の者の入力ミスが多いのが原因だった。入力内容のチェック、修正に時間がかかるため、通常であれば定刻で終わる量のデータ入力が、時間外労働になっていたことが判明したのである。

 簡単に書いてしまっているが、ここまで至ったのは外部の人間である社会保険労務士が現場に入り込んで「なぜ?」、「どうして?」を繰り返した結果であり、その当時は相当「面倒くさい奴」と思われていたかもしれない。

 結論としては、配置転換ができたので事なきを得て、「届出制」の導入も届出用紙も不要となったが、ここで感じたのは、適正を欠いた人材配置がどれだけの影響を及ぼしたかということである。

 社会保険労務士は外部からの指導者であるため、なかなか各会社の実務の現場まで踏み込む機会は少ないかもしれない。しかし、経営者の一言によってそこから派生する数々のケースを想定し、その一つひとつを確認した上で具体的に指導し、結果を出すことが求められているように感じる。

 こんな作業を通じて我われ社会保険労務士と経営者、そしてその従業員との信頼関係がさらに構築される。結果、その会社にとってより良い労使関係が確立されていくことで、業績が上がっていく。その一部分をお手伝いできることは社会保険労務士として喜びを感じるひと時でもある。最近では、社長の発する一言の奥深くを感じ取るようとくに気を付けている。

竹内社会保険労務士事務所 竹内 勇一【東京】

平成24年3月5日第2863号10面 掲載

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