感情に配慮した対応を/山岡美由紀社会保険労務士事務所 山岡 美由紀

2020.05.17 【社労士プラザ】
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山岡美由紀社会保険労務士事務所 山岡 美由紀 氏

 2020年春。新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界中で多数の感染者や死者が出ている。数カ月前には予想もできなかった歴史に残る出来事である。

 こんなことが起きていなければこの春は、働き方改革、同一労働同一賃金、ハラスメント防止策などが労務管理上の大きな課題であったはずである。

 ところが、2月下旬以降に注目されている雇用に関する情報は、雇用調整助成金の拡充や小学校休業に伴う新たな助成金制度の新設など、休業手当などに関するものが中心である。他方、就業環境においては、テレワークが推奨されている。労働時間管理や指揮命令関係などが二の次気味になっていることが、将来のトラブルの火種にならなければ良いなと秘かに思っている。とはいえ、堅苦しいことをいっていられないのが現状である。

 今回の危機は、ほとんどの経営者にとって予測できなかったことであり、このような異例の事態に陥ったときの従業員の行動は、経営者に対する信頼の度合いで差が出るのではないだろうか。

 近年、経営者と従業員、または従業員同士のかかわりが薄れているといわれている一方で、企業には多様な働き方を受け入れるなど、個人的な事情への配慮が求められている。だが、単純に制度を用意するだけでなく、働く人の満足感や幸福感を意識した仕組みであることが望まれる。

 なぜなら、従業員が制度を利用するときに、感謝の気持ちを持って利用するか否かでは、モチベーションに差が出ると思うからである。満足度が上がれば、労働時間等に制約がある中でも最大限の力を発揮してもらえるのではないかと考えている。さらに、通常勤務に戻ったときの貢献度にも影響するのではないだろうか。

 業種や業態によって様ざまな危機感が生じている今、従業員が経営者を信じて難局を乗り越えようとするか、あるいは職場を去る判断をするかは、経営者に対する信頼感の度合いによる。人同士のかかわりが希薄になっている現在こそ、従業員の感情や心に良い影響を及ぼし、相互の信頼感を醸成する職場環境や制度を整えることが、従業員の定着に有益ではないだろうか。

 昔は多少きつく叱っても、少し環境が厳しくても、ハングリー精神が養われ育成につながったかもしれない。けれども時代が変わり、働く人の気持ちが変化しているということに留意し、関与させていただく企業の発展と、良好な労使関係のために貢献していきたいと考えている。

山岡美由紀社会保険労務士事務所 山岡 美由紀【和歌山】

【公式webサイトはこちら】
https://yamaoka-sr.com/

令和2年5月18日第3257号10面 掲載

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