伝えることの大切さ/湊恒成社会保険労務士事務所 所長 湊 恒成

2020.07.05 【社労士プラザ】
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湊恒成社会保険労務士事務所 所長 湊 恒成 氏

 今年5月1日で開業から丸10年を迎えた。

 10年前を振り返ると、リーマン・ショック後の景気回復時ではあったが、まだまだ失業率も高く、若年層を中心とした失業率の改善に向けた助成金も数多く準備されていたように記憶している。

 その後、東日本大震災を経て、アベノミクスによる景気回復期が比較的長く続いてきた。

 そして現在、2月頃から始まった新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、雇用も経済も非常に大きな打撃を受けている状況に陥っている。

 当事務所でも3月頃から雇用調整助成金をはじめとしたコロナ対策の助成金業務に忙殺されており、顧問先企業だけでなく、開業から10年間で出会い、交流させていただいた多くの経営者の皆さんからご連絡をいただくような状況になっている。

 苦しい時にご連絡をいただけること、そしてその苦しい状況に対して微力ながらも手助けができることに対して、社会保険労務士としての使命感や喜びを感じずにはいられない。

 しかしながら、そのような状況のなかで痛切に感じることがある。

 今回の雇用調整助成金の申請に当たり、度重なる要件緩和により、数多くの企業が申請にこぎつけることができる状況にはなったものの、当初は様ざまな混乱が生じた。

 労働条件通知書や就業規則の整備、適正な労働時間管理と給与計算が行われている事業主にとってはさほど難しくない雇用調整助成金の申請も、飲食業などの日頃ずさんな労務管理を行っていた事業主にとっては申請の壁が非常に高く、申請を断念する事業主も少なくなかったと認識している。 

 大変恥ずかしながら、当事務所の顧問先企業でも日頃の労務管理がずさんなケースがあった。普段の労務管理に関しての指導やアドバイスのなかで、「どうせいってもできないだろう」とあきらめてしまっていたり、いいづらいことをしっかりと経営者に伝えきれていただろうか。

 社労士たる自分自身の姿勢や発言が、顧問先企業の経営や未来に大きな影響を及ぼすということを真に理解していただろうかと改めて考えるなど、気付かされる場面が多かった。

 近年、社労士事務所でも働き方改革が叫ばれているが、顧問先企業の状況を肌で感じ、経営者に多く会い、いいにくい内容であっても社労士である自分自身の言葉で伝えることが大事であると感じている。私自身も経営者の皆さんと共に成長していくことが大事であると痛感している。

湊恒成社会保険労務士事務所 所長 湊 恒成【富山】

【公式webサイトはこちら】
http://ww3.ctt.ne.jp/sr-3710/index.htm

令和2年7月13日第3264号10面 掲載

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