【主張】大きな成果を残した29年

2018.01.05 【社説】

 本紙は、今号で平成29年最後の発刊となる。今年1年を振り返ると、雇用・労働問題にとって大きな意義のある年であった。3月に「働き方改革実行計画」が閣議決定され現時点までスピード感を持った取組みが実現している。

 安倍首相は、当時開催した会議の席上、「働き方改革実行計画の決定は、日本の働き方を変える歴史的な一歩である」と発言しているが、決してオーバーとはいえない。以前の政権にはみられなかった強い意気込みをもって、政策の具体化が進んでいるのは明らかである。

 経済発展や社会の成熟化にとって、雇用・労働分野の条件整備は欠かすことができない。過労死、ブラック企業などの問題をそのまま置き去りにした未来はあり得ない。様ざまな側面から働き方改革を深化させ改善していく必要がある。今年1年間の首相官邸と厚生労働省の「歴史的」な政策実行を称賛したい。

 改めて、働き方改革の最大の狙いをみると、労働者がより良い将来展望を持てる職場環境を作るとともに、労働生産性をアップさせて賃金の上昇につなげること、さらには中間層を増やしてより多くの労働者が豊かな家庭を持てるようにする点にある。

 同一労働同一賃金による正規・非正規間の格差改善、罰則付き時間外上限規制を含む長時間労働の是正、転職が不利とならない柔軟な労働市場・企業慣行の整備など、働き方改革のおおよその内容が労働基準法等改正案として結実している。失業率を中心とする雇用情勢の改善も目を見張るものがあった。

 首相官邸を支える有識者スタッフと厚労省が一体となり、方向性を共有しているからこそ的確で思い切った政策が次々と生まれてくるのであろう。もちろん、多くの政策はまだ不十分で入口に立ったばかりと思えるが、これまでその入口さえも濃い霧に覆われていた。

 後は、入口の扉を実際に開けられるかどうか、来月からの国会にかかっている。党略や批判のための批判ではなく、建設的な審議を尽くしてより良い制度改正に仕上げてほしい。

掲載 : 労働新聞 平成29年12月25日第3142号2面

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