【ひのみやぐら】声をかけあい人間関係構築

2017.12.26 【社説】

 建設現場は重層下請構造。自社の社員だけではなく、協力会社などさまざまな人が現場にかかわる。専門工事業者は、工事の着工から竣工まで携わることはなく、一定の期間だけ仕事をすることになる。建設現場では、頻繁に働く人が入れ代わるのが宿命であり、同じ場所で作業をしていても、顔もよく分からないまま、次の現場に移ってしまうということも少なくない。

 たくさんの人と協力して仕事をするのが建設業。コミュニケーションが大切なのはいうまでもなく、現場でよい雰囲気をつくるための施策に取り組んでいる。「一声かけ運動」「職長の安全宣言」「朝礼」「健康KY」「ポスターや標語の掲示」――少し思い浮かべただけでも、いろいろな活動が挙げられるだろう。

 人間は間違いを犯す生き物で、不安全行動や考えられないエラーをしてしまうもの。作業中の誤った行動を、お互い注意できる関係をつくっておかなければ、万が一のときに労働災害を起こしかねない。このため、日ごろから声を掛け合い、コミュニケーションをとることが求められる。建設現場には、相手を思いやる気持ち、感謝の気持ちが必要なのだ。大袈裟な言い方をすれば「人間愛」がなくてはならない。

 今号、特集1で紹介する向井建設では「対話型指差し呼称」に取り組んでおり、現場のコミュニケーション向上を図っている。可能な限り相手の名前を呼び、安全作業の注意点を声掛けするもので、「○○さん、丸ノコカバーはよいか?」「○○さん、ワイヤーの絞り方はよいか?」と元気よく声を出して、指示や伝達事項をしっかりと伝える。もともと現場には声掛けの下地があったそうだが、昨年から「対話型」と名付けて意識的に名前を呼ぶことにしたという。

 名前で呼ばれると、なんだかくすぐったい気分になるかもしれないが、そこが狙いどころだろう。より親近感が増し、お互いを理解しようという意識が高まるに違いない。

 コミュニケーションをとって、地に足が付いた仕事をする。よい雰囲気で施工した現場は、おのずと品質にも好影響が現れる。

掲載 : 安全スタッフ 平成30年1月1日第2297号

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