【ひのみやぐら】技能実習生の不安解消を

2018.05.28 【社説】

 たとえ目的が観光でも、外国に行くと心細くなることがある。それが、仕事目的で3年間の滞在の場合、いくら将来の夢に向かって目を輝かせていたとしても、心の片隅にどこか不安が入り交じっていることは否めない。

 近年、わが国の建設業は需要が高まり、少子高齢化も重なって、深刻な人手不足に陥っている。そのため、外国人技能実習生を受け入れる企業が増えてきた。外国人技能実習制度は、日本で開発され培われた技能・技術・知識を開発途上国などへ移転を図り国際協力に寄与することを目的としているが、わが国の人手不足を支える側面を持つのは皆の知るところだ。もはや、実習生がいなくては現場が回らないとする会社もあり、そうした貴重な人材に快適で生き生きと働くことのできる職場を提供することは、受入企業の努めではなかろうか。

 とくに初めて来日する実習生は、多大な期待と不安を抱いているに違いない。仕事はもちろん、言葉や文化の違いから日常生活で悩んでいることもあるだろう。こうした不安を取り除くためにも、コミュニケーションは何より欠かせない。具体的な対応としては、実習生と親しく話せる日本人作業員とペアになって、密着した指導をするのが望ましい。実習生が一人になることを避け、安全に作業しているか目を配る。実習生が複数在籍しているならば、先輩が後輩を教育する体制をとってもよいだろう。困りごとがないか定期的に意見交換の場を持つのも効果的だ。また、仕事の場以外でも飲食を伴った懇親会などを通して、打ち解けた雰囲気で話をするのも、悩みを聞くよい機会となる。一人で抱え込まない、孤立することのないようにするためにも、コミュニケーションを積極的に図るようにする。お互いのよい関係は、結局は労働災害防止につながる。

 今号特集2では、実習生を受け入れている橋爪建設の事例を紹介。同社の「ベトナム委員会」という活動は、工事長がマンツーマンで作業手順から日常生活まで実習生を指導する。コミュニケーションを重視した活動は、絶好のモデルケース。ぜひ、ページを開いていただきたい。

掲載 : 安全スタッフ 平成30年6月1日第2307号

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