【道しるべ】猛暑対応 〝在り来たりの養生〟が異変防ぐ

2013.08.01 【社説】

 「言うまいと 思えど今日の 暑さかな」――この、子供のころから耳にしている詠み人知らずの川柳が頭に思い浮かばぬ夏はない。今年はとりわけで、梅雨明けあたりから猛暑日が四日、五日とつづき、記録的とか例がないとかの報道が連日となっている。

 暑さにともなう発病についても同様で、熱中症での病院搬送が1000人超、高年齢者の死亡が続発、屋外工事 現場などの作業員・警備員が仕事中に倒れて何時間後かに死亡確認、等々の事例を聞かない日がない。真夏の高気温も、生命に関わってくるほどになると〝天災〟というしかないか。

 で、いつもながらの注意になるのだが、何よりも心がけるべきは体調異変への警戒心を持ちながらの自己防護だろう。熱中症については予防の手立てが十分にアナウンスされているからおくとして、ここでは夏バテ・暑さ負けが人の行動意識面に及ぼす影響の怖さに触れておきたい。

 真夏から9月初旬にかけて発症する夏バテ(熱衰弱症)の原因は、通常以上の発汗による体内の水分とミネラルの不足、消化機能低下・食欲不振からくる栄養不足、冷房の影響(室内と国外の頻繁な出入りによっての体温自律神経の乱れ)、睡眠不足にあるとされていて、異様な眠気、無気力、体のふらつき、むくみ、熱っぽさ、下痢・便秘といった症状を呈し、放置しておくと衰弱がいっそう進むと言われている。

 生理的変調は思考力や意識水準を低下させ、疲労感に覆われてのイライラ・ぼんやりは注意力や判断力を散漫あるいは鈍重なものにする。動くのが億劫になっての手抜き・省略、集中心を欠いての見落とし・聞き違い・勘違い、思い込み、もの忘れなどは、いずれもヒューマンエラーを引き起こす危険要因であって、考えられない不安全行動や被災状況につながる可能性が高い。

 そうした事態を未然に防ぐには、①新鮮な野菜・果物・豆類の摂取によってビタミンやミネラルを補給する、②食事は三食を一定時間にとる、③喉の渇きを覚える前の水分補給によって脱水症状や疲労の蓄積を防ぐ、④入浴(ぬるめのお湯に20~30分つかる)によって心身のリラックスを図る、⑤クーラーは室内外の温度差を5℃以内にしてかけっぱなしにしない、etc。

 どれも在り来たりの対処と思われるかもしれないが、熱中症がそうであるように、暑さがらみの異変は心身の不具合や用心のなさを衝くようにして突然発現する。涼秋を迎えるのはまだまだ先なだけに、改めての養生を心がけて励行したいところだ。

掲載 : 安全スタッフ 平成25年8月1日第2191号

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