【道しるべ】土木安全の手引 工事特性適応の対策確認に

2013.05.01 【社説】
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 全産業の就業者数は約6215万人。このうち建設業は約473万人。割合としては7.6%弱なのだが、これが労働災害となると死亡災害が33.4%、休業4日以上の死傷災害20.1%とケタ違いの比率になっている(平成23年)。このかんばしくない状況については、ずっと以前から指摘されていながら変化がない。一昨年あたりから建設業の労働災害はむしろ増加傾向にある。

 このため本誌では、建設現場の災害減に役立てていただける安全施工・管理活動の好事例を多く紹介していきたいと考えている。また、小社の出版物においても災害防止への実践マニュアルあるいは教材として活用度の高い書籍や冊子の制作を予定している。近々発行するものとしては『土木工事―安全作業の手引(仮題)』がある。

 同書は、死亡災害の3分の1が土木工事で発生し、一度に多数の被災者を出す事例も少なからずあることから、安全管理に精通した専門家に改めて安全作業のポイントをまとめていただくもの。災害防止対策に関しては、気候・地形・地質などの自然条件に左右され、現場によって施工方法が異なってくるといった工事特性への適応が重視されているのはいうまでもない。

 取り上げる主な事項を順に挙げると、「土砂崩壊/建設機械災害(車両系建設機械、杭打ち機、コンクリートポンプ車、高所作業車ほか)/クレーン等の災害/トンネル掘削による災害(飛来・落下、粉じん障害ほか)/墜落・転落災害(足場、法面、開口部、ローリングタワー、脚立、可搬式作業台、はしごからの墜落など)/電動工具による災害/酸素欠乏症/硫化水素中毒・一酸化炭素中毒/熱中症」等々がある。

 各項に関しては、典型的な災害事例(発生状況)をイラスト入りで紹介したうえで、発生原因を人的・物的・管理的要因別に分析し、それぞれの対応策を列記。この中からさらに災害防止上の重要事項を「安全上のポイント」や「基礎知識」として詳しく解説していくほか、現場作業員に伝えて指導すべき内容を「急所」として簡潔にまとめることとしている。

 書籍案内に字数を費やして恐縮だが、土木工事の場合、道路・橋梁・河川・上下水道・トンネルの各工事に死亡事故が集中し、同型の災害(墜落・転落、倒壊・崩壊や重機との接触など)でも建築現場とは違った状況下での発生が多い。これからの時季、震災地復興の本格化ほか異常気象による被災箇所復旧が増える。それに備え、「手引」を通じての安全確認を是非と改めて思う次第である。

平成25年5月1日第2185号 掲載

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