【道しるべ】事例検討 見過ごせぬ〝すき間〟での被災

2013.11.15 【社説】
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 どんな作業にも要所とか、押さえるべき勘どころとかがある。高度な技を要するものともなると、使う道工具から手足の動かした方、姿勢・身構え、目のやりどころまで勝手を許さぬ厳しい定法があったりする。そこまでいかずとも、大概の作業動作には正しい手順というものがあって、長く繰り返せば身に備わった習慣ともなる。

 生産現場でのものづくりには、この手順の整備が必要不可欠で、準備段階から本作業、後始末に至るまでの進行を適正かつ効率的なものにする。一般的な手順書には内容別に分解されたステップごとの作業方法、あるいは生産・品質・安全上の急所や注意事項が記載されている。それに加えてリスクアセスメントに基づく危険・有害性を明記する例も増えてきた。

 しかし、その手順書も、細部にまで目を向ければ作業が多種多様となるため全てを網羅しているとまではいえないところがある。漏れとはいわないまでも、省略されて明示されないままになっている小作業は少なくない。そのへんを衝かれての災害発生――これを問題視して対処の必要性を強調する声が建設業などで上がり始めている。

 どういうことかというと、資機材の搬入・搬出作業、予定にないスポット作業、主要作業に付随する単純な作業、片付け・清掃作業、簡単にできる(と思われている)作業、場内の移動など、作業手順に書き込むまでもない、あるいは指導不要とやり過ごしてきた作業の中で思いもよらない災害が〝手順書のすき間〟を縫うように発生しているというのである。

 作業者自身にしても、簡単であればそれまでのやり方で、とくに用心もせず安易に作業をしてしまうところがあって、災害を起こす大きな要因になっているらしい。その種の災害は数多いのだが、「開口部の養生蓋を移そうとして墜落死」した事例などは手順書未作成・特段の指導なしでの管理不在がもたらした最悪の事例かもしれない。

 そうした事態を避ける対処法としては、単純な作業にも危険が潜むことを見越しての手順整備が求められるのは当然だが、それをより的確なものにするには前段階でのきめ細かな「事前検討」が重要になってこよう。これに関しては、先月開催された全国建設業労働災害防止大会において鹿島建設㈱東京建築支店での充実策が発表されたが、過去の災害分析と現場からのヒヤリングなどをもとにしての検討事項のリストアップとルール化は、見落としがちだった部分を埋めるうえでの有効な施策といえそうだ。

平成25年11月15日第2198号 掲載

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