【ひのみやぐら】快適職場へ上司に「気づき」

2016.01.14 【社説】

 快適職場というのは、大きく分けてハード面とソフト面に分けることができる。作業環境や作業方法の改善、疲労回復施設の設置などがハード面といえ、この方面の快適化は大きく進んできた。

 一方、職場の人間関係、処遇や労働負荷などの人間的側面がソフト面に当たる。中災防は「快適職場システムづくり調査研究委員会」(平成8~10年度)で検討を行っており、ソフト面について「キャリア形成・人材育成」「人間関係」「仕事の裁量性」「処遇」「社会とのつながり」「休暇・福利厚生」「労働負荷」の7領域を示したが「人間関係」領域を重くみており、とくに上司と部下との関係は、「組織運営上、最も重視すべき要素」とした。

 今号、「産業カウンセリングの現場から」で、シニア産業カウンセラーの小原新さんは「部下にとって、上司は最大の職場環境」と言い続けているという。職業生活において、部下にとっての世界観は上司が多くの部分を占めている。つまり、快適職場への最も近い道は上司を支援するのが得策といえる。

 小原さんが提示した上司のマネジメント力を向上させる方法は3点。「自己理解の促進」「部下への仕事の与え方の再認識」「傾聴力の向上」としている。上司自身の言動が、職場の雰囲気や部下にどのような影響を与えるか、しっかりと認識するのが「自己理解」だ。アドバイスしてくれる人が少なくなるため、自分自身を見つめる能力を備えておく必要がある。

 仕事の配分は、上司の仕事そのもの。質、量、適性に配慮し、動機づけを含めてあらためて振り返る必要があると指示している。傾聴力はすべてのコミュニケーションの基本。話をきちんと聴くことができるということが信頼関係の構築に寄与するという。

 上司の心にゆとりができれば、部下への対応にも余裕が生まれ、働きやすい生産性の高い職場になるに違いない。

 上司自身にこうした気づきを促すことによって、職場のストレスを低減することにつながり、本当の快適職場を実現できる。

掲載 : 安全スタッ フ 平成28年1月15日 第2250号7頁

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