【ひのみやぐら】安全衛生活動の見直しを

2024.03.12 【ひのみやぐら】
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 新年度から安全衛生計画をスタートさせる事業場は少なくない。年度末が差し迫っているが、新施策の着手前に職場で行われている安全衛生活動の見直しを行ってはいかがだろうか。

 まず、安全衛生活動の基本要件として全員参加が求められる。活動への参加が形式的になっていないだろうか。事業場のトップが旗振り役となり、管理監督者、作業者一人ひとりが全員参加で災害の芽を摘む態勢を取らなければ、職場に災害はなくならない。一部の熱心な管理監督者のみが孤軍奮闘しているということはないだろうか。

 全員参加のポイントは、一人ひとりに事業場の一員として発言させ、意見を出させ、役割を持たせて実践させることだ。責任を持たせて行動させることで、参加意欲を促す。また、「言わせっぱなし」「やらせっぱなし」にならないよう、管理監督者はフォローをすることが大切といえる。

 個々人の自主性はどうか。安全衛生活動は「やらされる」といった受け身の対応では、職場に安全意識は根付かない。例えばヒヤリ・ハット報告が、ただ漫然と提出件数を見るだけの活動になっているということがある。現場からの意見や提案は職場の実態を照らし合わせながら、具体的にフィードバックをする。現場の声に向き合わないと、活動はすぐに停滞してしまう。

 安全衛生活動に取り組むには、長期的な展望と方向性(数値目標など)を明確にし、事業場全員に周知する必要がある。目標のない活動は動機付けが曖昧になり、行動意欲が湧いてこない。安全には守りのイメージがあり、何事もないことをもって良しとする風潮がある。モチベーションを上げるためにも、「あるべき姿」の明示は重要といえる。

 とかく5S、危険予知、ヒヤリ・ハット報告など「定番」とされる安全衛生活動はマンネリに陥りやすい。「慣れ」や「気の緩み」はないだろうか。この2つの要因で起こるヒューマンエラーは少なくない。

 新年度から新しい施策を始めるにしても、土壌ができていなければ、安全の芽が育つことはないだろう。改めて、自職場の安全に対する認識を再確認しておきたい。

2024年3月15日第2446号 掲載

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