【ひのみやぐら】外国人に効果的な見える化

2021.08.27 【社説】
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 コロナ禍で、皆が一堂に集まって行う形の安全衛生教育が低調になっている。感染対策を十分に講じたうえ少人数で実施したり、オンラインを活用するなど工夫はされているものの、以前のような全員参加型が開催できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうだ。

 そもそも、安全衛生教育で災害防止を図るという考え方は、わが国特有の事情がある。単一民族が大多数を占めるため、ある程度思考方法が同一であり、一定の教育水準が保たれているので、指示への理解も進みやすい。一方、欧米は多民族であることが多い。言語がさまざまなうえ、考え方も多種多様だ。教育よりも、リスクアセスメントによる安全対策が発達したのは、このような背景がある。

 わが国も、少子高齢化による労働力不足から外国人に頼ることが多くなっている。さらに非正規雇用の割合が増加傾向にある。パートタイマーや派遣労働者などは、雇用期間が短いことがほとんどだ。このような人たちの場合、安全教育の効果が限定的になるといわざるを得ない。安全衛生対策を欧米型に方針転換するとまではいかなくても、教育だけに頼らない災害防止対策が必要になる。

 具体的には、外国人や非正規雇用の労働者には、「見える化」が効果的といえるだろう。表示などにより、潜在している危険を可視化する手法は、何より分かりやすい。厚生労働省は2011年から「『見える』安全活動コンクール」を実施しているが、そのまま自分の事業場で活用できる事例も少なくない。

 表示でいえば、中災防のホームページでは「多様な労働者向けわかりやすい図式化の手引き」を掲載している。手引きでは、事業場で安全標識を活用するため、サンプルや利用方法を示した。また、職場で使えるよう、ダウンロードできるようになっている。「すべる」「つまずき」「ながらスマホ禁止」などの標識について日本語のほかピクトグラムと他言語で構成されていて、そのまま活用できる。

 なお、本稿では安全教育を軽視しているわけではないので、そのへんは誤解なく。

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2021年9月1日第2385号 掲載

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