【ひのみやぐら】5月には「現代型うつ」も

2014.05.01 【社説】

 ゴールデンウイークが過ぎたころ、注意したいのが五月病だ。最近は少し事情も変わってきたようだが、日本社会は入社、転勤など4月が大きな節目となっている。新しい生活と自分の思い描いていた生活にズレを発見してしまい、落胆してしまうのがこの時季だ。五月病は、「適応障害」と診断されることが多いようだが近年これに加え、新たに問題になっているのが「現代型うつ」である。

 精神科医の吉野聡さんの著「『現代型うつ』はサボりなのか」(平凡社刊)に、典型的な事例が紹介されている。25歳のAさんは、本人の希望した本社営業部に配属されたが、3年目に地方の製造工場の総務課に異動になった。不本意だったのか最低限の仕事をするのみになり、ある日人事部長に叱責され会社に来なくなったそうだ。やがて「うつ状態になったため自宅療養が必要」とする診断書が会社に送られてきた。Aさんは自宅療養を開始したが、その期間中、合コンや競馬などに出かけていたため「本当に病気なのか」という疑問が周囲に広がったという。

 このように責任は会社にあると堂々と訴える。会社は休むものの、自分の楽しめる所には出かけていけるのでサボっているように見えるのが「現代型うつ」の特徴だ。生真面目な人がなりやすい「従来型」とは素人目には全く異なる。もちろん、うつ病との疑いがあれば早めに専門医に相談することが大切だ。

 この時季、とくに新入社員や新しく部署に配属された者について、管理者は目を配らせたい。一見、普通に業務をこなしているようでも、実は悩みを抱えていたということがあるかもしれない。普段から、気にしておくことで何かが起きても、万全に対処ができるというものだ。

掲載 : 安全スタッフ 平成26年5月1日第2209号

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