【主張】トランプ政策が雇用直撃

2017.02.27 【主張】
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 報道によると、アメリカのトランプ大統領が日本の円安を批判した。日本は、アベノミクスによる大幅金融緩和などが功を奏してようやく経済状況が好転し、雇用情勢のV字回復につながっている。トランプ大統領の円安批判は、この回復基調に冷水を浴びせかねない。

 雇用情勢が好転しているとはいえ、日本経済全体としては未だデフレから脱却しておらず道半ばだ。完全失業率がせっかく3.1%まで改善し、もう一歩というところで腰砕けにならないよう、円安批判には毅然とした姿勢で臨むべきである。

 雇用情勢は、アベノミクス推進によって着実に回復してきた。平成28年12月の数値をみると、有効求人倍率は1.43倍、新規求人倍率は2.18倍となった。注目される正社員有効求人倍率も0.92倍で1倍に近付いている。有効求人倍率は、21年の過去最低0.42倍から急上昇し、25年ぶりの高水準に到達した。

 しかし、日本経済は未だ消費拡大、デフレ脱却の目標を達成していない。目標となっている物価上昇率を達成するには、もう一歩雇用情勢の上昇が必要である。金融緩和と財政出動の継続により、完全失業率がさらに低下すれば、デフレ脱却の入口に立つことができるはずだ。

 そう考えると日本経済は、今が最も重要な時期にある。

 デフレ脱却へ向けてもう一歩進むか、再び過去の低迷に戻るかの分かれ目に来ている。

 トランプ大統領による為替批判はこうした微妙な段階にある日本経済にブレーキを掛ける恐れがある。為替批判に応じて、これまでの経済政策を軌道修正したり緩めてしまうと、雇用情勢にマイナスの影響が生じかねない。

 現在の円安は、為替操作ではなく、あくまで国内の経済政策の一環である金融緩和の結果である。アベノミクスによって、1ドル70円台の超円高から現在の1ドル110円台の円安となった。この結果、企業の収益が拡大し、雇用情勢の好転に結び付いたとみることができる。

 トランプ大統領の円安批判をそのまま受け止めたらデフレ脱却はまた遠のくだろう。

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平成29年2月27日第3102号2面 掲載
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