【今週の労務書】『働き方改革の世界史』

2020.10.17 【書評】
  • list
  • クリップしました

    クリップを外しました

    これ以上クリップできません

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。

    マイクリップ一覧へ

    申し訳ございません

    クリップの操作を受け付けることができませんでした。しばらく時間をおいてから再度お試し願います。

古典で辿る欧米の雇用観

 働き方改革というより、本書では労使関係論の歴史を概観する。英米独仏の11の古典を取り上げ、各国でどのように労働運動が展開し、結果的にどんな考え方が生まれたのか、紐解いていく。「ジョブ型」と一括りにされがちな欧米の雇用システムが、実際には多様な形を経てきたことを学べる。

 企業横断的な職業組合を前提とするイギリスの雇用システムを皮切りとして、アメリカにおけるトレード(職業・職種)からジョブ(職務)への移行、ドイツで起こった共同決定に基づくパートナーシャフトなどが紹介される。他方でマルクス主義の本は扱わず、最後の12冊目でようやく国内の本が登場する。“純粋なメンバーシップ型雇用”が続く日本の特異さを改めて思い知らされ、今後向かうべき先を考えさせられる。

(濱口桂一郎、海老原嗣生著、筑摩書房刊、TEL:03-5687-2601、840円+税)

Amazonで購入する 楽天ブックスで購入する

関連キーワード:
令和2年10月19日第3277号16面 掲載

あわせて読みたい

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。