【主張】再び職務基準人事に脚光

2019.10.31 【社説】
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 再び職務基準の人事賃金制度導入のブームが起きている。かつてバブル崩壊後、多くの企業が成果主義や年俸制度に移行したものの、日本企業が戦後長期にわたって築き上げてきた能力基準とは相容れず、結果として後退を余儀なくされたケースが多い。

 しかし、グローバル化が一層進む時代となったいま、日本企業が生産性向上を図り、先端分野で国際競争力を維持向上するためには、やはり職務基準に移らなければならないことが実感されてきた。企業は、それぞれの経営風土に合った職務基準の人事賃金制度の導入を実現すべき時期に来ていると訴えたい。

 日本経済は1990年にバブル崩壊に至り、多くの企業が巨額な負債を抱えた。破綻したり、外資に飲み込まれた企業が多数出現し、その後日本経済は数十年間にわたるデフレスパイラルに見舞われてしまった。

 厳しい経営状態の中にあって、人事賃金制度も変容を余儀なくされた。それまで主流であった職能資格制度から職務基準の人事賃金である成果主義や年俸制度が普及拡大した。職務基準に移行することで、人件費コストの抑制に力を入れたのである。目標管理制度をベースとし、業務上決められた成果を達成した社員には高処遇を与えたが、成果が出ない社員に対してはそれに見合う低処遇とする根拠とした。

 社会的に問題視され始めたのが、職務基準の導入が一気に進んだために生起した歪みである。それまで長期に運用してきた能力基準の人事賃金制度との間で混乱が広まってしまった。ゼネラリスト育成を目的とした人事ローテーションに支障が生じたり、仕事の現場から強い反発が起きとん挫した企業もある。

 日本企業は、バブル崩壊後の職務基準導入ブームを経て多くのことを学んだといえる。こうした経験を糧として再チャレンジすべき時代が到来した。AIなどの先端技術で主導的地位を回復するには、グローバル競争に耐え得る人事賃金制度が不可欠だ。日本企業に馴染む職務重視型の人事賃金制度を打ち立てられれば、一転強みとなる。

令和元年11月4日第3231号2面 掲載

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