【主張】経済被害最小化に重心を

2020.05.21 【社説】
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 政府は、「緊急事態宣言」の5月中の延期を決定したが、事実上、段階的・地域的に経済活動を再開していくことになり、これを支持したい。6月には同宣言の大部分を解除し、ほぼ通常の経済活動にゴーサインを出す必要がある。新型コロナウイルスによる被害と経済活動停止による被害を比較すれば、経済活動停止によるダメージが圧倒的に増大しつつある。これ以上の落ち込みと雇用情勢の悪化を食い止めるべきだ。

 経済活動停止による日本社会・経済の被害は、時間の経過とともに増大することは明らかである。3月から続く経済活動の自粛は、倒産や解雇に直結し、限界に達しつつある。5月まではなんとか持ち堪えても、それ以降は取り返しのつかない結果を招来しかねない。

 報道によると、中小・零細の飲食、卸・小売、宿泊、旅客運輸、娯楽などの多くは、5~6月まで自粛が続くと持ち堪えることができないと訴えている。日本最大手のトヨタ自動車でさえ、1兆円の融資枠設定を銀行に要請したという。JAL、ANAなどの大手航空会社もすでに危機に瀕しているのは明らかである。中小・零細企業の経営破綻から始まり、6月までには大手製造業に波及していく可能性が高い。

 昨年秋以降から始まったGDP(国内総生産)の落ち込みは、極めて厳しい。仮に夏以降に回復したとしても、年間を通して10%以上のGDP縮小が想定されている。失業率、求人倍率は、すでに悪化が始まった。唯一の支えとなり得る政府による経済対策も中途半端なままである。

 こうした状況を考えれば、今後できる限り早い段階から経済活動を再開する以外にない。急がないと、新型コロナウイルス感染による被害を上回る懸念がある。経済的被害とのバランスを考慮し、可能なところから再開していく決断が必要である。

 良好・清潔な生活習慣などにより、新型コロナウイルス感染による日本の死亡者は、比較的少数に留まっている。今後は、経済的被害の最小化を最重要課題に据えて対策を打つべきである。

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令和2年5月25日第3258号2面 掲載

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