【主張】パイ拡大を最優先すべき

2020.12.03 【社説】
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 経団連は「。新成長戦略」を発表した。資本主義はいま「大転換期」に差し掛かっており、これまでの延長線上の改革の先には未来はないとまで指摘している。このため、価値創造によるパイの拡大と未来への投資に、もはや躊躇する暇はないと訴えた。

 しかし、バブル崩壊後の30年間、国と大企業は明らかに反対の行動をとってきた。延長線上に未来がないのは当然である。経済成長優先といいながら、実際にはブレーキを踏み続けた。新政権のスタートと共に、資金を惜しまずにデジタル投資をはじめとする資本投下を積極化し、真の経済拡大に向けて行動様式の転換を図るべきである。主導的立場にある大企業の責任は大きい。

 「。新成長戦略」は、資本主義をサスティナブルなものとするために、世代間、職種間、地域間の格差是正が不可欠としながら、単に今あるパイの再分配による格差是正では持続的成長は望めないといい切った。

 要するに、価値創造によるパイを拡大し、その成長を維持しつつ適正に配分して、格差是正を図ることが重要との見方だ。今後は、マルチステークホルダーに報いるため、環境と社会を重視し、優れたガバナンスを達成する方法により業績を上げていく必要があるとしている。

 日本経済の世界的地位が低下し続けたこの30年間、若者をはじめとするあらゆる世代が、明るい未来を想像することができなかった。最大の原因は、国と大企業の財政や資本投下不足にある。成長戦略優先といいながら、世界の趨勢と反対の行動を採ってきた。デジタル改革の大幅な遅れにつながったのが、象徴的である。日本の経済・社会にとって致命傷となりかねない結果を招いてしまった。

 国と大企業は、この30年間の出来事と結果を反面教師とし、考え方を転換する必要がある。行き過ぎた株主至上主義を改めて、働き手を含めたマルチステークホルダーのニーズに応えるとともに、十分な資金を前提とした未来への投資を力強く進めていくべきである。これ以上世界に後れをとることは許されない。

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令和2年12月14日第3284号2面 掲載

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