【ひのみやぐら】変わるもの変わらぬもの

2019.05.09 【社説】
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 職場の安全衛生活動を促すリーダーやそこに携わる方々に改めて申し上げたいのは、仕事を通じて亡くなられた方々は二度と職場に戻ってこないという当たり前すぎる現実について。言わずもがなだが、「重責を負っている」との自覚を常に胸の内に留め置いてほしい。

 ふと、そんなことが頭をよぎった情報が先月、新聞やネット上に流れた。労働災害で命を落としたおよそ26万人が合祀(ごうし)されている「高尾みころも霊堂」についてで、覚えておいでの本誌読者も多いのではなかろうか。あるいは、そのときその存在を初めて知ったという方も少なくないかもしれないが…。

 5月1日の新天皇即位を目前に控えた4月23日のニュースで、東京都八王子市にある昭和天皇陵を参拝した天皇・皇后両陛下が、「退位」を報告する儀式に臨んだその足で向かわれた施設がそれだ。公益財団法人・産業殉職者霊堂奉賛会が遺族や関係労使・団体などの協力を得て、春・夏の慰霊事業や霊園の環境美化活動を行いながら、産業災害の根絶に向けた機運を醸成する目的で運営している。天皇・皇后自らの希望で足を向けたというその施設に、機会があったら一度くらいは出向いて思いを寄せてみるのもいい。 

 元号も令和に改まり、新しい何かが始まる、そんな予感めいた、新鮮でシャッフルされた空気に社会全体が包まれているように見える一方、職場の現実は緊迫感を増しているようにも映る。昨年4月、国が新たに立ち上げた労働災害防止5カ年計画(第13次労働災害防止計画=13次防)も、就業構造が急激な変化にさらされていることを指摘し、とりわけ現場に増えている高年齢労働者、非正規雇用労働者、外国人労働者、障害者である労働者の「安全と健康の確保を当然のこととして受け入れていく社会を実現しなければならない」と宣言。やや苦しい言い回しは、その実現が結構難題だと国自ら認めているようにも読める。

 さはさりながら、職場の安全衛生管理を司る「あなた」の熱意こそが仲間の命や健康を守ることにつながることに変わりはない――それくらいの強い自負心で事に臨んで頂ければと思う。

2019年5月15日第2330号 掲載

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