【ひのみやぐら】フォーク災害の対策に工夫を

2016.01.25 【社説】

 フライス盤を見たことがなくとも、フォークリフトを目にしたことがないという人はまずいないだろう。街を歩いているだけでも、物流倉庫などで引っ切りなしに働くその〝勇姿〟を確認できる。こうした運送業をはじめ、製造業、建設業などさまざまな現場でフォークリフトは活躍している。

 一方、多くの事業場で使用されていることで、労働災害は後を絶たない。走行中のフォークリフトに激突する、フォークに人を載せて墜落させてしまう、積んだ荷が崩れて労働者に当たる――などいろいろなケースがみられる。用途外使用や無資格運転で労働基準監督署が書類送検することも珍しくはない。毎年2000人近くの労働者が被災しており、その対策は「待ったなし」の状況が続いている。

 特集Ⅰではフォークリフトの接触事故防止に力を入れている2社の事例を紹介する。千代田運輸は速度を出し過ぎていないか一目で分かるようタイヤに白い印をペイントした。4カ所に塗られた白ペイントは、タイヤの回転がゆっくりだと印が判別できるが、速くなるとつながって白い輪の状態になる。構内では時速8km以下を指示しており、時速10km当たりから白ペイントの見え方が変わってくるという。こうした速度の「見える化」を図り、パトロールを通じてチェックしている。

 人とフォークリフトの「導線」が重なると接触事故の危険性が高まる。この導線に着眼点を置いて安全対策を進めているのが横浜低温流通。物流拠点の新設をする際、フォークリフトと従業員、トラックドライバーの混在作業を避けるため、荷さばき場のスペースを広くした。さらに、フォークリフトは原則、縦方向の移動を行うようルール化している。新設の拠点は、危険性排除と作業効率の向上を実現した。

 2社の工夫とアイデアは、他の職場にも生かすことができるだろう。執筆いただいた陸災防の中尾陽安全管理士は「自主的な安全衛生活動の推進により『ひと手間』をかけて取り組んでいかなければなりません」としている。事業場の〝意気込み〟を期待したい。

掲載 : 安全スタッフ 平成28年2月1日 第2251号7頁

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