【ひのみやぐら】焦りが原因の災害に注意

2020.11.26 【社説】
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 早いもので今年も残すところ1カ月となった。12月は何かと締め切りに設定されていることもあり、慌ただしさが増す期間だ。今年は、コロナ禍という人類史上未曾有の体験があり、月日の経つ感覚がいく分早いように思う。産業界では4~5月に自粛期間があったため、その期間の業務の遅れを取り戻そうという動きがある。建設業でいえば、閉鎖をしていた現場もあり、工期の遅れを取り返すために、進捗を急いでいる現状もあるという。

 このような時期こそ「焦り」によるヒューマンエラーに注意したい。仕事をなんとか間に合わせなければという考えに頭が支配されると、焦りによるミスが誘発されやすい。心が焦っている状態だと、判断力や意思決定する機能を狂わせ、手順の省略や近道行動を引き起こしてしまう。

 今号の「建設労務安全衛生…こんな時どうしますか?」では、「終期の災害防止に必要なことは?」という問いに対し、中込平一郎さんは的確に解答している。工事の終期に差し掛かると焦りが生じ、災害が発生しやすい傾向になりやすい。さらにその雰囲気が作業所全体を包んでしまうと「集団欠陥」として、歯止めが効かなくなる。

 注意喚起しづらい雰囲気が現場に流れてしまうと、なかなか立ち止まって考えることが難しい。正しい方向に軌道修正ができずに、労働災害を発生させる要因をつくってしまう。工事を続けたい気持ちにブレーキをかけるのは、かなり覚悟のいる決断が必要だが、中込さんは最悪をイメージして、中断する勇気を持つことが重要としている。

 今号特集1では、テクノ菱和東京本店の事例を紹介。焦った状態で作業をしないよう「あ・わ・て・な・い運動」に取り組んでいる。一呼吸置いて、落ち着いてから作業を実施するよう、運動を展開することで、災害防止に効果が得られたそうだ。

 「急がば回れ」「急いてはことを仕損じる」――ことわざにもあるように、急いで事を済まそうとするとかえって失敗する。品質や安全を維持するため、どんなに忙しくとも慌てず、心に余裕を持って業務に当たりたい。

2020年12月1日第2367号 掲載

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