【ひのみやぐら】年末は「普段と違う」を意識
12月になり、何かと気忙しい時季に入った。納期や休暇の関係でスケジュールがタイトになりがちなうえ、整備・点検などの非定常作業や大掃除など普段行わない作業が増えてくる。健康面では、寒さによる冷えや忘年会などで飲食の機会も多くなり、体調に影響してくる。
職業生活を送っていると、毎日をリズムのような感覚で仕事に取り組んでいく面があるが、イレギュラーな作業や予定が入ることで、いつもの調子が狂ってしまうことがある。年末年始は、こうした「普段とは違う」状況が増えるので、作業に当たる際は、安全をいつも以上に意識することが大切だ。
例えば納期の関係で、ある一定の商品に対して納品の期日が迫っていたりすると、他の職場へ応援にいくこともあるだろう。普段とは違う現場で仕事をするので、職場に潜む危険が分からなかったり、作業手順をよく理解しないまま仕事に取り掛かったりする。このため、現場に不慣れなことで、思わぬ災害に遭わないとも限らない。
逆のケースで、自分の職場に応援に来る人もいる。普段とは見慣れぬ顔ぶれに、声かけを躊躇するなどコミュニケーション不足が懸念される。また、普段と違うメンバーの場合、合図の仕方、タイミングが変わることが考えられるので、あらかじめ確認しておくとよいだろう。
大掃除などでは、普段使っていない道具などに注意したい。もっとも気をつけたいのは脚立だ。身近な道具である脚立は、危険を感じさせないが、実は死亡災害も起きている。天板に乗る、跨って作業することで、バランスを崩して墜落・転落する災害が後を絶たない。普段あまり使わない道具に関しては、配慮して使用したい。
年末には、普段手をつけない場所の掃除などを行うことになる。とくに化学物質を保管している棚の整理などでは細心の注意を払いたい。万が一、薬品などに触れるなどして災害が起きてしまわないよう、対策を講じておく必要がある。
年末年始は慌ただしく、ただでさえ「慌て」「焦り」によるヒューマンエラーの懸念がある。「普段とは違う」状況を意識して、冷静に落ち着いて作業に当たりたい。