対応力問われる外国人雇用/社会保険労務士法人 ほし事務所 畠本 智仁

2019.01.13 【社労士プラザ】
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社会保険労務士法人 ほし事務所
畠本 智仁 氏

 今、コンビニエンスストアに入ると外国人労働者を多くみかける。地域によっては、日本人労働者をみかけることのほうが珍しい。

 私が幼少の頃に住んでいた団地では建替えが行われているが、外国人労働者専用となっている棟もあるようで、実家に帰った際、たまに近くを通ると、聞き慣れない言葉や音楽が聞こえてくる。遊び回った思い出のある公園では、大勢の外国人労働者の方々が裸足でサッカーを楽しんでいる場面に遭遇したこともある。

 顧問先の方や、色々な場所で人手不足という悲痛の声を聞くことも多く、業種の偏りもなくなりつつあり、外国人労働者に頼らざるを得ない現状は誰もが肌身で感じることとなった。

 諸所で様ざまな議論が展開され、批判の声もあるなか、改正入管法が成立した。

 どのような形であれ、外国人労働者が増えることは間違いないので、我われ社労士の仕事にとっては、多少なりとも追い風となると思われる。しかし、外国人雇用は、言語はもちろんのこと、異なる文化、慣習を持つ外国人を受け入れるための現状とは異なった配慮も必要とされ、そのための制度設計などは慎重に取り組んでいかなければならない。

 身だしなみ規定のアクセサリーについて相談を受けたことがある。業務上、必要な範囲で身だしなみについて規制していたが、代々受け継がれるアクセサリーを身に着けなければならないという申し出があり、会社側としては尊重したい思いはあるが、他の従業員、お客様への影響を悩まれての末、どのように対応したら良いかとの相談だった。会社側に初めから理解があったため、特別に配慮してほしい事情として申立書を提出してもらい、周りに明確に説明できる体制を取ることで、周囲の理解も得られて、何事もなく受け入れることができた。

 私自身の経験にはなく、異なる文化、慣習を持つ方々への対応を、身を持って知った事案である。

 研修など勉強の機会はいただいており、それらを活用して自身の力を高めるとともに、自らの見聞を広めるために国際交流の場に参加することにも興味が湧いてきた。ただ、英語すら苦手な私にとって、その場に踏み出す一歩は非常に重たい。

 今後、外国人労働者を雇用することで人手不足は多少なりとも改善の方向に進むであろうが、今まで以上に初めての問題が増えていくため、企業の対応力が求められる。それは、社労士の対応力が求められるということであり、単に人手不足解消、業務拡張とは思われず、身が引き締まる。

社会保険労務士法人 ほし事務所 畠本 智仁【福岡】

【公式webサイトはこちら】
http://www.hosi.jp/

平成31年1月14日第3192号10面 掲載

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