【主張】納付金徴収拡大先送りを

2018.11.15 【社説】
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 厚生労働省が明らかにした国の行政機関における障害者の任免状況点検結果によると、障害者の実雇用率は当初示していた2.49%から1.18%となり、不足数は3478人に達した。一般論として国が率先して障害者雇用を推進すべきであることは論を俟たないが、障害者雇用納付金を厳しく徴収している点などを併せて考えると、民間企業としては到底納得がいかない。厚労省では、現在、同納付金の徴収対象拡大を議論しているが、当分の間先送りすべきである。

 同納付金は、障害者の雇用に伴う経済的負担の調整と障害者の雇用推進を図るために民間企業から徴収している。徴収額は、毎年の申告に基づき障害者数が法定雇用率を下回る場合において、不足数1人当たり原則月額5万円となっている。

 加えて、実雇用率の低い民間企業に対しては、別途雇用率達成指導を行っている。雇入れ計画作成を命令し、改善が思わしくない場合は計画の適正実施を勧告、さらに経営層を対象とする特別指導に続き、企業名を公表できる仕組みだ。実際に過去10年程度の間に30社を上回る民間企業名を発表している。

 1億総活躍時代に向かい民間企業において障害者雇用を促進すべきであることは当然だが、今回の行政機関における「不適切な取扱い」は、お粗末極まりないもので、到底納得できない。障害者雇用促進法の理念に対する意識の低さに加え、障害者の計上方法に関する正しい理解に努める姿勢に欠け障害者の範囲や確認方法を恣意的に解釈していたなどと淡々と述べている。

 同納付金の徴収対象は、従来まで常時雇用している労働者数が200人超の民間企業であったが、平成27年4月から100人超に引き下げた。厚労省内では現在、徴収対象を50人以上の中小零細規模にまで拡大する議論が進行中である。同納付金の金額を引き上げるべきなどとする意見まで出ている。

 国は、今回の「不適切な取扱い」と同納付金の見直しを切り離したいだろうが、徴収される民間企業からすれば到底割り切れない。

平成30年11月19日第3185号2面 掲載

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