【ひのみやぐら】危険感受性を高めよう

2018.09.25 【社説】
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 わが国の労働災害のピークは昭和36年で死亡者数は6712人だった。昨年は978人だから、約7分の1にまで減少したことになる。企業の安全衛生担当者や災害防止団体などの活躍が功を奏したわけだが、一方で技能継承や人手不足など新たな課題も見られる。皮肉なことに災害が減少したことで体験者が少なくなり、危険箇所を知っているはずのベテランが企業から去り、現場の危険感受性が鈍くなったといわれている。

 人手不足の解消として業務のIT化が進んでいるが、インターネットの活用はデスクワーク偏重の傾向が生まれるようになった。労働災害は現場で起こるものにもかかわらず、安全衛生担当者が現場に行く機会が減り、職場の問題点の追及や作業員とのコミュニケーションをとる時間的余裕が少なくなっている。

 やはり、安全衛生担当者は、じっくりと現場をチェックすることで、危険感受性を養っていくものではないだろうか。人間の目、耳、鼻などは素晴らしい機能を持っている。文明社会が訪れ、その能力は低下していったかもしれないが、危険や異常事態を察知する能力は、生物である限り本能的に備わっているはずだ。データ重視となり「経験と勘」といってしまえば、今の時代は頼りない響きかもしれないが、しっかりと身につけておくべき能力ではないか。

 現場を適正に確認すること以外にも、危険感受性を高める方法は少なくない。代表的な手法は、危険予知活動だろう。皆が意見を出し合って危険を抽出し、対策を立てていくというまさに〝先取りの安全活動〟は、個人の危険感受性を高めていくのに適している。古くからある活動なので、マンネリ化に悩む事業場もあるかもしれないが、そこはアイデアと工夫次第。今号、特集Ⅰで紹介するユニバーサル製缶滋賀工場の事例は、よいヒントになるだろう。

 指差し呼称は安全意識を高めるにはうってつけだ。実施することで6倍もの効果があるのは、知るところだろう。過去の災害事例の分析も感受性を高める。原因を探求することで、教訓を導き出すことができるからだ。時間をうまくやりくりして、危険感受性を高めていきたい。

平成30年10月1日第2315号 掲載

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