副業・兼業解禁の留意点/弁護士 瓦林 道広

2018.06.23 【弁護士による労務エッセー】

労働災害

 副業している場合、労働災害の処理についても留意点があります。

 副業している場合の労災保険給付額の算定については、労働災害が発生した就業先の賃金分のみに基づいて算定されることになります。仮に副業先で労災にあったとしても、本業との関係では労災ではないということです。

 また、本業での勤務終了後、副業先の会社へ向かう途中で災害にあった場合は、通勤災害になりますが、副業先に向かう途中の災害ですので、副業先の労災保険を使用して保険給付を受けるべきと考えられています。

副業・兼業の運用

 ここまで見てきたように、会社にとっても、副業を解禁すると、労働時間管理や残業代の管理は少し複雑になりますし、副業の内容や労働時間によっては、本業に支障をきたす場合もあるでしょう。

 厚労省のモデル就業規則では、原則、副業を認め、社員から会社への届出のみで副業を行える文言にされていますが、届出のみでなく、会社の許可があって初めて副業を認めるという形を取った方がよいのではないでしょうか。

 その際、副業先の会社名、業務内容、労働時間等をきちんと把握し、本業における当該社員の労務管理に反映させる必要があります。

 中小企業では、厚労省のモデル就業規則をそのまま使っている会社も散見されますが、自社の実態に応じてカスタマイズするようにして下さい。

弁護士 瓦林 道広 氏

弁護士 瓦林 道広(かわらばやし みちひろ)
(野中・瓦林弁護士事務所)

【経歴】
福岡県立修猷館高等学校卒業
西南学院大学法学部卒業
福岡大学法科大学院修了
第一東京弁護士会登録(新62期)

【委員会活動】(第一東京弁護士会)
労働法制委員会委員(労働契約法部会副部会長)

瓦林 道広のWebサイトはこちら
http://www.kawarabayashi-law.jp/

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