【道しるべ】自負・自信 意志成就を確信しての奮闘を

2013.12.15 【社説】

 安全関係者と話していて、迷いのない発言に惹きつけられることがある。誇示や衒(てら)いなしに淡々と語る言葉のなかに、確たるポリシーとか実践奮闘の跡が窺えるからだろうか。今年も「トップ&キーマン」の皆さんとお会いした折、その種の体験を多くした。いくつかを振り返ってみよう。

 「職場のメンタルヘルスを推し進めていくには経営のあり方自体を変えなければ……私が実施したのは130にも上り、骨子となったのは就業規則の手直し(勤務時間などの改定)、コミュニケーション促進などでした」。経営トップが手がけた働きがいのある会社への改革は、休職・退職者激減という実績と併せ強く印象に残る。これと多少ニュアンスは異なるが、食品製造業の工場長が「全従業員がこれまで当たり前にやってきたことを疑い、シビアに見直していきたい」と強調していたのも現状に甘んじない改善志向の表われだったかと記憶している。

 「小規模事業場の指導で大事なのは、その職場の順守規定として法令のどの部分が該当するかをまず知ってもらい、分かりやすい活動資料を提供してバックアップすることです。ときには経営資源を投入しての改善・改良をトップに強く進言しなければ」とは、管理・活動の定着に向け精力的に取り組んでいる社労士からの助言だった。

 「安全は一人ひとりが責任者です。100人中ひとりでも違った考えで行動するようなことがあると労働災害は防げない」。これは地場建設会社の管理職が長年の教育指導歴から得た実感。「作業手順には写真・略図などを添付し、実践場面が思い浮かぶような工夫が必要。現場の作業環境・条件によって違ってくる危険についても明確に表示すべき」は、労災防止の陣頭に立つ大手ゼネコンの役員が現場主義の一端を示したものだった。

 健康関係では「30年の喫煙習慣を断った経験をもとに〝卒煙〟後の生活がいかに快適かを社内外で語り伝えている」というスタッフが、「喫煙意識リセットの後押しをライフワークにしたい」としていた。

 「ドライバーとの個別面談でじっくり話し合って仕事への意識を変えてきました。教科書的な説明をまとめにするだけでは安全は伝わりません」と断言した運送会社の若い管理者は、「命がけで職務を果たしていきたい」と熱い口調で心境を語ってくれた。

 インタビューでお話を伺った方々、また同じく職場の安全健康維持に精力を注いでいる多くの人たちには、来る年においても自負と自信をもって更なる尽力を、と改めて思う。

掲載 : 安全スタッフ 平成25年12月15日第2200号

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